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自転車はケージの中に収められ、メンバー共通のカギを用いて出し入れする。このほか、ドイツでは自動車と自転車と公共交通機関を総合的に連携させるシステムとして市街外周道路沿いに「パーク・アンド・サイクル・アンド・ライド基地」を設け、高速道路などから来た利用客が自転車やバスに乗り換える。同基地にも自転車専用ロッカーを設置。

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<海外写真3>自動車の前に自転車待機スペースが設けられたドイツの交差点

ドイツではさらに、97年の連邦法改正によりバスレーンの中に自転車レーンを設けてもよいことになった。どの区間を指定するかは自治体の判断。ボンでは、従来3車線だった道路を2車線にしたり、車線数はそのままでも自動車レーンの幅を狭くしたりして、道路の両側に自転車走行用のスペースを作った。これは道路を拡幅することなく、自転車が走行するための空間を新たに生み出したもの。その上で、市内では自転車の歩道通行を認めていないので、歩行者の安全も確保されている。欧州では道路の幅は意外に狭く、その狭い道路幅をうまく工夫して自転車レーンを作った上記のケースは、日本でも十分参考になるとみられる。

C.オランダ

オランダ中央部の都市であるティルブルクでは、中央駅の地上、地下に大規模な駐輪場を設置。ここでは学生のための3日間駐輪制度があり、自転車の車輪に日時を書いた紙テープを巻き付け、金曜日の夕方から月曜日まで72時間駐輪を認めている。また中央駅では自転車の持ち込みや別送を受け付けている。

このほかティルブルク都心のショッピングセンター近くには、1000台収容の地下駐輪場がある。買い物を積んだ自転車は、動くベルトに乗って楽に地上に出られる。

 

 

 

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