日本財団 図書館


c. 大都市部以外の公共交通の状況

 

BC Transitの管轄地域には小規模の自治体が48あり、表3-4-4に示すように上記(i)〜(iii)に示したいずれかの公共交通を単独または組み合わせで提供している。

従来型のバスなど通常の公共交通であるコンベンショナル(Conventional)のみを提供しているのは4自治体である(パターンA)。小規模の自治体の中でも、比較的人口の多い地域と考えられる。コンベンショナルとカスタム(Custom)の組み合わせを提供しているのは12自治体である(パターンD)。この場合、コンベンショナルを利用できない高齢者・障害者などにカスタムで対応していると考えられる。また、コンベンショナルとパラトランジット(Paratransit)の組み合わせを提供している自治体は7つある(パターンE)。市街地ではコンベンショナルを提供し、それが利用できない人のためにパラトランジットを提供していると考えられる。一方で、人口密度の低い地域では、コンベンショナルが成立しないため、パラトランジットを提供して移動制約者と一般の人に同時に対応していると考えられる。さらに、パラトランジットのみを提供している自治体が24ある(パターンC)。過疎の地域のためパラトランジットに一本化することで移動制約者および一般の利用者に対応していると考えられる。

 

表3-4-4 提供モードと自治体数の整理

116-1.gif

※Vancouver都市圏、Victoriaを除く

 

図3-4-3 各交通モードが対象とする利用者と人口密度の概念

116-2.gif

 

小規模の自治体の中でも、さらにその人口密度に応じて想定される対応交通モードを整理すると図3-4-3に示すようになる。コンベンショナルは人口密度が低い地域では成立しがたい。カスタムは高齢者・障害者等の専用交通手段であるため、人口密度が比較的高い地域では有効であるが、そうでない地域では非効率になり、グループ利用なども困難である。パラトランジットは人口の多い地域では高齢者・障害者の専用交通手段として提供される一方で、人口密度の低い地域では一般の利用者も混乗できるモードとして提供されることから人口の疎密に広く対応することができる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION