3章　カナダ

　

3-1　カナダの基礎情報

　

(1)　カナダの国土と人口

　

カナダは10州と3つの準州で構成されている。人口はおよそ3,000万人で、国土面積は9,971,000?²、人口密度は3人/?²である(国連世界人口統計年鑑、1996年)。人口は東海岸の大都市に集中しており、西海岸では、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー(本調査の訪問都市)、ビクトリア、内陸ではアルバータ州のエドモントンに集中している。主要都市の人口およびその推移は以下の通りである(表3-1-1)。

人口密度は、主要都市が含まれる州においてもわが国や他の先進国と比べてかなり低くなっている(表3-1-2)。こうした条件で公共交通を提供していく事は非常に非効率であるが、都市部に限って見るならばアメリカなどより公共交通の分担率は高く、その役割は大きい。

　

表3-1-1　カナダの主要都市の人口推移

注1)都市名は周辺の大都市圏を含めたものである。

注2)「オタワ-ハル」は連邦首都圏として両市を合わせて表記したものである。

　

表3-1-2　カナダの人口密度

出所)カナダ統計1994

　

(2)　移動制約者の状況

　

カナダ統計(Statistics　Canada)によれば、障害者の数はおよそ380万人で、人口の12%強にあたる。そのうちおよそ220万人が交通を利用する上で困難を感じている人(移動制約者)である(1995年データ、表3-1-3)。2020年までには、移動制約者数が80%増加して人口の12.3%にあたる390万人になると予測されている。こうした状況から、交通システムヘのアクセスの改善を進める施策が求められている。

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