日本財団 図書館


7-3. 特記事項

 

7-3-1. 高速船の制約要件

 

近年、目的地への到着時間の短縮のため小型船、中型船を中心に高速船が普及している。高速船は、一般の旅客船やフェリーとは異なる独自の制約要件があるため、バリアフリー化に際しては、高速船独自の制約要因を考慮した対応が必要になる場合があることから、高速船のバリアフリー化については、さらなる検討が必要であると考えられる。

ここでは、高速船独自の制約要件について記述する。

 

1]軽量化が追求されている

高速船では、船体を極力軽量化し、大出力のエンジンを搭載しているため、昇降機等の重量のある施設は設置が難しいといった問題点がある。

 

2]甲板室の面積が狭い

高速船では、船体を軽量化している影響で甲板室の面積が狭くなっている。狭い甲板室で最大の輸送効率を上げるため、客席以外の船舶内の施設は極力少ない面積で確保するようにされているケースが多く、例えば一般旅客用便所は旅客船やフェリー以上に小さく作られているといった問題点がある。

 

3]高速航行中の船内移動は制限される

高速船は高速で航行するため、航行中は移動制約者以外の乗客にもシートベルトの着用が義務付けられている場合もある。高速航行中に移動制約者が船内を自由に移動することは極めて危険であり、安全性確保の観点より航行中の船内移動は制限されるべきであるという問題点がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION