5-3. 船舶
舷門から船内通路を移動し、旅客室に着席するまでの行程及び船内における副次的行程について定義する。
5-3-1. 舷門
舷門とは、ターミナル・船舶間のアプローチを通過した後、船内に入る入口部分の行程として定義する。
海上交通では、舷門は開口部であることから、船舶の安全性確保のために、舷門が必要最小限の大きさになっており、また水の浸入を防ぐためのコーミング段差が存在する場合もある。また、フェリー等では車両の舷門と同一の舷門を利用する場合もある。
5-3-2. 甲板室入口
甲板室入口とは、舷門から遊歩甲板を介して船室内に入る入口部分の行程として定義する。
甲板室入口は船舶の構造によっては、舷門と同一となっている場合もある。また、舷門同様甲板室入口も、必要最小限の大きさになっており、また水の浸入を防ぐためのコーミング段差が存在する場合もある。
5-3-3. 車両甲板入口(フェリー)
車両甲板入口とは、フェリーにおいて車両甲板と同一の開口部から乗降する場合の、車両甲板から船内に入る入口部分の行程として定義する。
車両甲板と同一の開口部から乗降する場合は、徒歩で乗降する場合と車両のまま車両甲板に乗り込み、車両を降りて船内に入るという2つの行程が想定される。車両のまま車両甲板に乗り込む行程では、車両甲板上での移動の安全性、円滑性についても考慮する必要がある。
5-3-4. 船内通路移動
舷門、甲板室入口または車両甲板入口から旅客室に至るまでの行程として定義する。
船舶は、限られたスペースで最大の輸送効率を確保するために旅客室が2甲板以上になっているケースもある。一般にフェリーでは最下甲板に車両甲板を設置し、車両甲板の上甲板に旅客室を確保している構造が多く、こうした場合には船内で垂直移動が必要になるケースがある。
さらに、航行中に船内を移動する際には、船体動揺の影響があることも考慮しておく必要がある。