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4]倉庫業

・荷主の物流コスト削減に向けた取り組みにおいて、在庫の一元化、物流拠点の集約化が進展しており、九州においては、高速道路網の整備に伴い、北部九州への物流拠点の集約化が進んでいる。

・宮崎県内の営業倉庫においても、関西方面ではなく福岡・鳥栖から搬入される貨物が中心となってきている。同時に小ロット化・多頻度化が進み、倉庫の回転率は上がっているが、月末保管残高は伸び悩んでいる。

・こうしたことから、宮崎県内の営業倉庫、特に専業事業者の倉庫新増設は低調であり、トラック事業者がターミナルに倉庫を併設する形態や荷主が自社専用倉庫を設置する形態が中心となっている。

 

5]主要荷主企業の状況

1)化学製品

・延岡地区の化学品工場群では、繊維をはじめ、固体、液体の多様な化学製品が生産されている。大都市から遠隔地にあるため、いずれの製品についても競合他社と比較して物流コストの負担が大きい。

・化学製品の多くは福岡、関西、関東のストックポイントから配送される、繊維製品はユーザーに直送されることが多い。パイプ・継ぎ手等では翌日配送のニーズに対応するため、関西以西については直送、名古屋以東については各地にストックヤードを設け、そこから2次配送をかけている。

・大手化学メーカーにおける国内向け出荷の輸送手段は、海運40%、トラック(フェリー含む)40%、JR20%となっている。特に関東向けは55%、近畿向けは64%が海運利用となっている。メーカー側では、リスク分散の観点から3機関の分担率を同等に近づけたいと考えている。

・一方、荷姿の特殊なパイプについては、80%が貸切トラック利用である。各地の工事現場や大型車の進入が困難な地域への配送が多いため、4トン車の利用が多いが、県内トラック事業者は、長距離トラックの大型車を中心に保有し、小口貨物への対応ができていないため、結果的に、県外の比較的大手のトラック事業者に大半の輸送を委託する結果となっており、こうしたトラックの需給ギャップの改善が望まれる。また、物流コスト削減のため、東日本への工場展開による輸送距離の短縮や、同業他社とのバーター取引などを行っている。

 

2)製紙

・日南市に立地する製紙工場では、上質紙を中心に、特殊紙8%、感熱紙等の汎用品を主に生産している。また、平成11年11月より新聞古紙を利用し、日産200トンの能力を有する再生紙工場が稼働した。

・国内出荷先は、関東(45%)、関西(32%)、中部(13%)、九州・四国(10%)であり、大都市圏向け出荷比率が高い。その輸送手段は、1998年現在で、在来船(25%)、フェリー(63%)、鉄道コンテナ(3%)、トラック(9%)となっており、フェリー利用が中心となっている。また、2]に述べたとおり、在来船のほぼ全量が新規就航したRORO船に転換する。フェリーについては、関西向け=志布志港、関東向け=宮崎港が主体である。ただし、志布志港のRORO船航路は月4回清水港に寄港するため、静岡県向けは同航路を利用する。また、名古屋方面は宮崎港からRORO船航路も利用する。

 

 

 

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