■リードタイムの検討
ここでは、上海から東京への輸入にかかる所要日数を各ケース毎に検討する。
ケース1の場合、長崎港到着が2日目夕方となるため、翌日通関して東京まで輸送すると、東京での販売は5日目となる。
続いてケース2の場合、長崎港到着が2日目午前中となるため、即日通関が実現すれば同日夕方に発送することが可能となり、東京での販売は約1日短縮されて4日目とすることが可能となる。ケース3およびケース4の場合、ケース2と比較して上海の出発時刻を遅らせることは可能となるが、所要日数はケース2と同様である。
一方、現行の上海〜東京間のコンテナ船航路をみると、上海出発後、東京着は4日目となっており、翌日に通関したとしても6日目販売となり、東京での通関に日数を要すればさらにリードタイムも長くなる。
こうしたことから、長崎〜上海間に30ノット程度の高速フェリーを投入することにより、上海〜東京間のコンテナ船と比較して2日以上リードタイムを短縮し、従来の海上輸送と航空輸送の中間的な輸送サービスを提供することが可能となる。