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<プロジェクトを終了する>

 

現場での最終作業日は、特に重要です。通常、いずれの作業でも、現場には何も残さないようにしなければなりません。また、作業内容に満足してもらうために、依頼者に現場に来てもらい、一緒に一巡することも大切です。

 

依頼者や地元のコミュニティーに現場を明け渡す、何らかの正式な「返還式」を行うのも適当でしょう。終了後に、作業現場で撮ったボランティアの集団写真は記録に残り、よい記念品となります。この他、乾杯やバーベキュー、あるいは帰宅途中のパブヘの寄り道も、よい打ち上げでしょう。もちろん、車を運転する人はお酒を飲まないようにしなければなりません。

 

<合宿プロジェクト>

 

合宿プロジェクトと聞くと、とても仰々しく聞こえますが、単に宿泊を伴うプロジェクトのことで、週末単位から2週間に及ぶものまであります。このプロジェクト自体、参加者がお互いによく知り合い、技術をもっと深くまで学ぶ上で、最良の方法の一つです。気晴らしでグループに参加している人にとって、週末やより長期間にわたり、日常の現実から逃避できる機会になることからも人気が高まっているようです。

 

何週にもわたって週末に作業してもらうのでなく、短期間に集中して作業をしてもらうことを希望する依頼者にも、合宿プロジェクトの人気は高まっています。従って、依頼者と交渉する際には、最適な作業形態を見つけましょう。必ず必要経費を負担してもらい、食費と一定水準の宿泊施設での宿泊費を(1995年時点の参考価格で)、1人1泊5ポンドの負担で賄えるようにしてもらいます。しかしながら、グループの求める宿泊施設のレベルによって、負担金の額は大きく変わってきます。休暇ではないのですが、宿泊にはグループの資金をいくらか必要とするので、通常ボランティアに食費として少額の寄付をお願いします。ボランティアの多くが菜食主義者の場合も少なからずあるので、あらゆる嗜好にあった料理を提供できることが重要です。

 

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現実逃避のチャンス

 

レイゲート地区環境保全ボランティアズ(Reigate Area Conservation Volunteers)は、ウェールズにあるラドナーシャー野生生物トラスト(Radnorshire Wildlife Trust)が管理する、山麓の農場へ毎年出かけて行きます。土曜日と日曜日に連なる法定祝祭日を選べば、グループは2日間たっぷりと作業することができます。さらに、異なった地域で作業することによって、より変化に富んだプロジェクトを行う機会を得ることができます。野生生物トラストは宿泊施設を提供しているので、グループの会員は自分の分の食費と交通費を負担するだけで済みます。

 

経験を積んだグループになると、自分たちで宿泊施設やプロジェクトを選んで遠方に移動することもあります。しかし、初めのうちは、BTCVの地元事務所のネットワークを利用するのが手軽です。従って、まず、あなたの地域のBTCV事務所か、ウォーリングフォードの本部に問い合わせてください。

 

難しいかもしれませんが、理想を言えば、プロジェクトの現場や宿泊施設を事前に視察しなければなりません。視察しない場合は、クライアントやその地域で活動したことのある他のグループ、あるいは、地元のBTCV事務所から書面で可能な限り情報を集めましょう。

 

宿泊施設

 

宿泊施設を確保する最も簡単な方法は、クライアントに依頼することです。結局のところ、クライアントはその地域にいろんな手がかりを持っているのです。宿泊予定の施設には、湿っぽくない寝るのに適したスペースがあり、お湯と水が利用でき、トイレが付いていて、食べ物や熱い飲み物を準備できる設備があるかどうか確かめる必要があります。グループの会員には、どんな宿泊施設を利用するのかきちんと説明することが重要です。そうすれば、メンバーは参加の有無を決定したり、不足に備えて(例えば、敷きマットや寝袋、携帯用コンロを持参したりと)、準備することができます。

 

 

 

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