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環境保全-体験学習

 

実践的な環境保全活動は、広い意味で体験教育と言えます。経験を積んだ環境保全家は、どのようにボランティアと作業を行うかについて、学ぶのをやめることはありません。その方で、ボランティアは、環境保全活動をチームで進めて行く上で必要な、実践的な運営手法や技術手法、道具の使い方や手入れ法などについてより多く学びます。あなたのプロジェクトの意義を認める人は、あなたが何をし、なぜそれをするのかが学び取れる人です。

 

技術をどれだけ学び取って帰るかは、経験の質に大いに関係しています。作業がきちんと計画されていると考えてプロジェクトに参加している人は、コンスタントに自分の技術力を伸ばすことができます。経験を積んだボランティアの簡単なヒントは、通常の訓練を何時間も受けるに値するくらい貴重なものとなります。

 

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何時間もの形式的な実習。

(掲示部分:環境保全トレーニング-二重管理)

 

<作業しながら学ぶ>

 

ボランティアは、まず、なぜ時間とエネルギーを提供するよう要望されているのか、その理由を知る必要があります。BTCV発行の“ハンズ・オン(Hands On)”は、その点で参考になる本で、様々な環境保全活動に関する、一連の“手法(How to)”や“なぜ(Why)”についての冊子が入っており、新人ボランティアにコピーして配布することができます。どんなことをするよう頼まれるのか、なぜ特定の場所にそれが必要なのかについて、新人ボランティアは知りたがると思います。これらに対する説明を的確に行う方法として、以下のようなものがあります。

 

作業開始前の趣旨説明

 

新たにプロジェクトを開始するごとに、現場での作業開始前に説明をします。この説明は、プロジェクト・リーダーと現場管理者が2人で一緒に行わねばなりません。依頼者の中には、趣旨説明に関心を示さない人がいるかもしれませんが、関心を持ってもらう必要があります。ボランティアに参加を求めているのですから、依頼者は作業を依頼する理由を説明できるようにしておかねばなりません。説明は20分以内にとどめ、作業現場の歴史、誰が何の目的でその現場を利用するのか、特に興味深い点、作業が行われる理由を述べてください。長期に及ぶプロジェクトの場合、新人ボランティアが加わった時には適宜同じ説明を繰り返し行います。

 

あなたのグループについて

 

あなたのグループの作業内容や、その作業が環境保全ボランティア運動の広範囲なネットワークの中のどこにあてはまるのかを、ボランティアに説明しましょう。新人ボランティアには、現在取り組んでいるプログラムや一般向けのチラシも忘れずに配布します。

 

ガイド付きツアー

 

現場のガイド付きツアーも大切で、現場管理者がガイドとして適任です。1日限りのプロジェクトの場合、昼食時が最適な時間帯でしょう。以前に行った作業現場にも案内して、いろんな作業内容について説明します。

 

 

 

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