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人数が足りないと思っても、あきらめたり、がっかりしてはいけません。そうでなくて、成し遂げようとしている仕事をもっと簡単にできないかどうか、あるいはより前向きに、ボランティアをもっと集められないかどうかを考えるのです。以前は熱心だった人が、どうして参加するという約束を取り消したのか考えてみましょう。他の日に変更したら、もっとボランティアが集まるかどうか調べてみましょう。

 

バーンリーでは、母親と子供のグループが、どこにもくつろいだり、遊んだりする場所がないと考え集まりました。地元のBTCVのフィールドスタッフは、MAFlA(行動する母と家族の会:(Mothers And Families In Action)の結成や、自分たちの遊び場と野生生物の生息地づくりを始めるのを援助しました。地元の企業や自治体の支援で、荒れ地を地域のコミュニティーと野生生物の双方に有用な場所に変えることができたと、同グループは自分たちの活動に誇りをもっています。

 

作業当日

 

交通機関を利用する場合には、どんな問題にも対処できるように、時間的余裕を十分にもって物事を円滑に進めるようにしなければなりません。前日の夜の主な仕事は、飲み物をはじめ全ての準備を整えることです。初日なので、準備万端にしておくことは非常に重要です。たいそうなピクニックのような準備は必要ありませんが、飲み物の準備は絶対忘れてはいけません。お茶の道具として、お茶、コーヒー、砂糖、フルーツスカッシュ(果汁とソーダ水を混ぜたもの)、ビスケットを準備し、他に携帯用コンロとやかんも持参しましょう。作業現場で飲料水が確保できるかどうか調べるのを、忘れてはいけません。飲料水が手に入らない場合には、全員がお代わりできる量の飲料水を入れた水筒を準備します。

 

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基本的な茶道具のセット

 

当日利用できるバンがあると、特に第1回目のプロジェクトの場合には理想的です。時間的余裕をもって待ち合わせの場所に行き、確認をかねて参加者を出迎えましょう。集合場所は道具を借りる場所が適当です。そうすれば、ボランティアはバンヘの積み込み等、最初から作業を手伝うことができます。(たっぷり荷物を積んだバンが自宅の玄関先に到着したら、ボランティアは日帰りの休日旅行に行くのだと勘違いしてしまいます。)

 

現場に到着したら、最初に、何をしなければならないかについての簡単な説明を、その理由と併せて行います。みんなを作業現場に案内して、質問を受けます。最も大切なのは、健康や安全面、道具の正しい使い方について、十分に説明することです。経験を積んだボランティアが参加している場合には、これらの説明に参加してもらい、自信がなさそうなボランティアと作業してもらうようにします。以上の行程を経て、全員に作業を開始してもらいましょう。

 

初日に奇跡が起こることを期待してはいけません。誰もケガをしないように、特に注意を払いましょう。休憩時間には全員で、自分の作業やその感想などについて意見交換します。全員が発言できるように注意してください。昼食時には、依頼組織の代表者と一緒に、みんなを作業地の全域に案内します。こうすれば、新人ボランティアには自分の行なっている作業が、管理計画のどの部分に該当するのかが把握しやすくなります。

 

参加者があまり長時間作業しないようにします。初日には達成しやすい作業目標を立てましょう。実際に外に出て、自分の行ったことに対して満足して帰宅することは、たくさんの作業を達成するのと同じくらい大切です。とりわけ、参加者に対して、忘れずに感謝の意を示してください。作業の成果や、皆が分かち合った時間を記念して、写真を撮りましょう。継続して活動する予定ならば、参加者名や、達成した作業の記録をきちんとつけ始めます。次回のグループの会合の日には、必ず完全な記録が用意されているようにします。また、地元の新聞に対して、グループの作業初日の成功をアピールする記者発表書を送付することも、検討すべきでしょう。

 

 

 

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