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第1の目的は、グループの目的に適っているかどうかという当たり前のことですが、依頼者が環境面で最善でないことを要求する場合に問題が生じます。

 

昨年、イングランド最大の自治体のある首長は、草木の成長が著しい時期に荒れ放題の景観を生む原因となっている、市内の沿道の茂みは全て除去すべきだという決定を下しました。このような作業は避けるべきです。

 

現場の下見の際に、その場所を管理しているのは誰かについて、できる限り情報を集めましょう。多くの保護区には管理委員会があります。管理委員会がある場合には、作業に関して話し合いがなされ、合意に達しているのかどうか調べますが、委員会の内輪のことには立ち入らないようにします。その場所の管理計画の有無を調べ、計画がある場合には、あなたの作業が計画に沿っているかどうか調べましょう。

 

計画がない場合には、誰かがきちんと計画を立てる必要があります。計画立案の経験者がグループにいなければ、地域の野生生物トラストやBTCV事務所に問い合わせましょう。管理計画は依頼者が責任を負うべきことなので、最初に依頼者の要求を満たしているかどうか確かめましょう。

 

環境面や管理面が申し分なければ、どれだけの作業と時間が必要なのかを、依頼者と検討します。プロジェクト完了までに必要な時間を、短めに見積もるのは簡単です。よく分からなければ、時間をかけて検討し、懸案事項としてチェックリストに記入します。追加の出費が生じたり、物資が必要になるかもしれません。その場合は依頼者が出費や物資を提供しなければなりません。そうでない場合には、生じた出費の弁済方法について解決しておきます。作業代を請求する場合には、必ず請求時に口頭で承諾してもらい、書面の確認書を送付します。さらに、依頼者側の連絡役となる代表者は、ただ1人であることを確認しておきます。

 

下見の後に

 

幸運にも、あなたのグループがプロジェクトに着手できることになった場合には、開始の日時や集合場所を取り決めます(たとえば、8月4日午前10時に、保護区の駐車場で)。あなたのグループが作業にとりかかる前に、依頼者に対して、グループの会員は全てボランティアであり、何事も会員との相談なしには請け負えないことを明確にしておきましょう。現場での朝の打ち合わせで、何か問題があれば、すぐに電話でそのことを依頼者に確認しておいてください。そのことを書面に書いて、郵送しておくことも大切です。

 

ほぼ間違いなく、ある時期に引き受けてはいけないと分かっているプロジェクトに遭遇します。どんな理由であっても引き受けないと決めたら、依頼者に理由を説明した手紙を書きます。今後引き続き作業を依頼してもらいたい場合には、ボランティア不足等の理由があれば、作業を今回請け負うのを不適切だと決定した理由について説明します。特定な理由がなければ、特に言及する必要はありません。(参照)

 

<作業プログラムの計画>

 

作業プログラムを計画する際には、ボランティアがその作業に適しているか、1年間のうちで適切な時期であるかについて検討します。

 

●ボランティアは、いろいろな種類の作業をすることを好む。

 

●一般的に人は寒かったり、濡れたりするのを好まないことを念頭におく。濡れるような作業を伴うプロジェクトは、気候が温暖な時期に行うよう計画する。

 

●発足の直後であったり、宣伝活動が成功して、多数の新人ボランティアの参加が見込まれる場合には、簡単で、しかも十分に満足できる作業を計画する。

 

●あまり人気のない作業は、作業終了後にパーティーやバーベキューを計画して、より楽しくできるようにする。

 

 

 

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