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グループが小規模の場合は、会員同士の親交も深いのですが、グループが大きくなるにつれて全ての会員がそのような関係を維持していくのが次第に難しくなります。また、グループには違うバックグラウンドを持つ人が集まります。誰もを受け入れ、大切にすることが重要です。もしプロジェクトが住宅密集地の近くで行われる場合は、比較的関心が高まりやすいので、地域の人がどうしたら参加できるようになるか、どうしたらプロジェクトを自分達のものと実感できるのかを柔軟に考えましょう。

 

これからの章には、あなたが勧誘したかったり、連絡を取りたいような特定のグループのメンバーと効率的に活動する方法が書かれています。外部に呼びかけることで、あなたの仲間に疎外感を与えないように留意してください。あなたのグループのイメージによって、どのような人があなたと一緒にボランティア活動を行うかが決まってきます。BTCVは最近、広範囲の人々と活動した経験を基に得た詳しい情報やアドバイスをまとめています。詳細は地域グループ課(Local Groups Unit)にお問い合わせください。

 

年長者

 

以前よりも早期退職者が増えました。同時に英国国民の平均年齢は上昇しています。以上の点から、時間に余裕のある年長者が増えてきました。調査によると、ボランティア活動を行った年長者のうち、20%が環境のために活動しています。年長者は職業経験があり、職業訓練にも慣れているようです。事務職の経験者は、重要な職務である会計や管理職を引き受けてくれるかもしれません。しかし、そういう役職から逃れたいが故に、グループに加わる人がいるかもしれないということを念頭に置いておかねばなりません。勤務中のために一般のボランティアが活動できないウィークデーに、年長者は時間がとれます。従って、グループのための仕事に時間を割いてもらえれば、年長者はどんなグループにとっても大切な人材となり得るでしょう。長い休憩時間が必要であったり、若い人に比べれば作業のペースは遅いですが、年長のボランティアは多くの実践的な環境保全活動だけでなく、運営面の仕事もできます。融通のきく作業形態ならば、より幅広い年代のボランティアを集めることができます。まずは、ボランティア活動を終日することがないように留意しましょう。

 

年長者で構成されている環境保全グループの数も増えています。もし年長のボランティアを探しているなら、以下の組織にアドバイスを求めてください。

 

●“熟年資源(Age Resource)”は「自らの豊かな能力を見いだそうとしている50歳以上の人を支援し、活力を与える」ことを目標にしています。同団体ではボランティアチームの組織化を支援し、組織された多くのチームが環境保全活動に携わっています。

 

●“地域ボランティア・サービス(Community Service Volunteers)”は、退職者ボランティア・プログラム(Retired Senior Volunteer Programme)を運営しており、これは環境保全グループと協力して活動しています。

 

●“退職者社会活動実践の家(Retired Executive Action Clearing House)”は、特殊な職種斡旋を行っていて、通常ボランティアに対して職務経歴を求めます。

 

●“第3世代大学(The University of the Third Age)”

 

また、地元のボランティア局や新聞、コミュニティー、社会人教育センター、年金受給者あるいは退職者クラブに問い合わせて、あなたのグループが年長者のボランティアを歓迎することを知らせるのもよいでしょう。

 

テリー・ウェイト・ハウス(Terry Waite House)は東ロンドンのニューアムにある高齢者向けの保護施設ですが、ここの高齢の住人は、施設の庭に野生生物のための生息地つくりを行なっています。この付近には他に自然の残った場所はなく、60歳から90歳までの35人の住人は、地域コミュニティーに見本となるものを作りたいと思っています。ニューアム環境保全ボランティア(Newman Conservation Volunteers)は、その現場に池を掘る手伝いをしています。

 

 

 

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