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レスターの地域自然ウォッチグループは、地域の環境保全団体の力を借りて有能な環境保全グループヘと成長した。環境改善と犯罪防止に関心をもったグループは、資源リサイクルプログラムをつくり、続いて街路樹植樹プログラムもスタートした。自治体と協力して街路樹の世話も行っている。現在は地域住民に対し、地域内を低速で運転するように署名運動を行っている。また、ガーデニングクラブと託児サークルも発足させた。

 

あなたの住む地域のBTCV事務所は、アドバイスをするばかりでなく、あなたのグループのために、BTCVに加盟する他のグループと連絡を取ったり、あなたを支援してもくれるでしょう。

 

時には、地域の野生生物トラストや慈善団体といった、あなたのグループを援助してくれる親組織に該当する組織を見つけるかもしれません。そのためには、その組織の関係者に会って、どのように協力して活動するのかお互い合意しておく必要があります。

 

より規模の大きい組織であれば、あなたのグループ発足のために少しは寄付をしてくれるかもしれません。親組織の支援は組織づくりに必要な仕事を大幅に軽減するでしょうが、その方で、あなたのグループの独立性や主体性を制限するかもしれません。いかなる親組織であっても、その関係を明確にする必要があります。その対応は、全面的に依存する関係ではなく、親しい関係を保ちながらお互いによく理解しあう、ということになるでしょう。

 

親組織と協定を結ぶ上で、重要なのは:

●いかなる資金援助も明確にすること。資金援助は1年ごとの助成金という形式であったり、保険代や借りた車のガソリン代のような、必要経費を直接補助してもらうという形式になります。

●あなたのグループの活動作業にかかる出費の幾らまでを、親組織のプロジェクトに計上できるかを協議すること。

●親組織からみたあなたのグループの位置づけと、あなたのグループの委員会における親組織の発言権の有無について決めること。

●あなたのグループが解散する際に、親組織に帰すべき資産について明確にしておくこと。

 

あなたを支援し、あなたがしたいと思っていることに賛同する人たちとよく話し合って、この本のガイドラインを参考に、仕事を割り振りましょう。このグループの核となる人たちは円滑なグループ運営の助けとなるでしょう。一旦、グループが結成されたら、グループの中心メンバーは他のメンバーに責任ある活動を行うように促し、責任を分散しましょう。

 

<グループを発足する>

 

地域の環境保全を目指すグループは野外に出て、実際に作業を行わなければなりません。新しくメンバーになろうとしている人は、次のような質問をするに違いありません。例えば、「どこで作業するのか?」、「どの道具を使うのか?」、「どのようなことをするのか?」、「どのようにして現場に行くのか?」などの質問です。

このような質問に答えられなければ、誰もこぞってグループに加わろうとはしないでしょう。従って、グループを起こす前に、あなたは以下のことをしておかねばなりません。

 

グループに名称をつける

 

名称でグループがどんなものかが分かるのです。第1回目の会合での関心事が、「あなたの町の環境保全グループ」であったが故に、その議題がそのまま名称になるかもしれません。そうすることによって、あなたのグループは容易に「あなたの町の環境保全ボランティア」と認識され、自動的にあなたと実際の環境保全、そしてBTCVとを結び付けることになるからです。あなたのグループの結成メンバーがもっと目立つような名称を思いつくかもしれないが、その名称があなたのやろうとしていることを明確に示しているとは限りません。

 

 

 

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