日本財団 図書館


本書を利用するにあたって

 

この本“ローカルアクション”は2部構成になっています。第1部は、実際の現場で円滑に効率よく活動する上で必要不可欠な、基礎的な計画立案を含む、グループづくりについて解説しています。チームとして円滑に活動しているグループは、コーディネーターをあまり必要としないでしょう。計画立案に時間を少し余分に費やすだけで、長い目で見ればより実践に即した活動ができるようになります。

 

第2部には、実際にプロジェクトの運営を進める上でのあらゆる場面、すなわち、保全作業の対象を探すことから、ボランティアの現場への派遣、それに現場での作業について解説しています。運営面に関しては情報が多岐にわたっているため、本書では限られた情報しか載せることができませんでした。しかし、BTCVは様々なハンドブックを出版しています。ハンドブックの詳細及びその他の出版物については、巻末の付録を参照してください。

 

本書は地域グループ向けBTCVガイドの第4版ですが、完全に改定し、多くの章で環境保全及びボランティア活動に生じた大きな変化、特に健康や安全面、効率的なパートナーシップに関する大幅な変化に伴い最新の情報に書き改めました。

 

特定の問題に関して援助や支援が必要な場合には、BTCVの地域グループ課にお問い合わせください(住所:36, St Mary's Street, Wallingford, Oxfordshire, OX10 0EU, UK)。スタッフは皆さんに役立つアドバイスや経験は、他のグループにも参考になるものとたいへん関心をもっています。また、BTCVの地域事務所が全国にあり、専属のスタッフが地域レベルで環境保全を実践しているグループに対して支援、援助を行っています。

 

本書はグループを運営したり、プロジェクトづくりに携わっている全てのボランティアの参考となるでしょう。あなたのグループの会員に一読することを勧めましょう。本書は本棚で埃をかぶるような本ではなく、実際に活用するものです。

 

監訳者註

 

BTCV(英国環境保全ボランティアトラスト)は、1959年にロンドン郊外でわずか42名のボランティアで発足しましたが、現在では年間10万人ちかくの市民が参加する、全国的な国民運動にまで発展しています。その主な設立目標は、農業の機械化や都市化の進展によって失われつつあった、英国の伝統的な里山・田園景観とそこに共生する野生動植物を保全・回復することで、活動は放置された雑木林の間伐や柴刈り管理、田園での失われた生垣や石垣の復元、溜め池や小川の維持管理など多岐にわたります。

 

BTCVの活動の根底には、環境教育や明日の社会を担う人材づくりという、もう一つの重要な目標があります。それは里山・田園自然の中で同じ活動体験を共有することにより培われる、共通の認識や価値観をもった人々の、世代を越えた連帯のネットワークづくりとも言えます。

 

数年前から、このような理念に共鳴する人々の手でBTCVの活動はヨーロッパ大陸に広がり、今や世界へと相互に参加・交流の輪が展開しつつあります。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION