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なお、活動の終息の判断については、町と地域住民の意見を参考にし対応するとともに、フォローについては地元の社協及びボランティア連絡協議会が行っていくこととなった。

 

3. 県社協本部の対応について

 

ボランティアの募集については、現地からの要請に速やかに応えられるよう事前にボランティア登録受付をし、拠点や市町村社協の要請があった場合に備えた。

また、本部においては、現地派遣職員等からの情報や県災害対策本部からの情報、さらには市町村社協の要請情報等を整理し、県内社協や関東ブロックの都県市社協に「災害情報」として流し続けた。この情報提供の成果としては、本部あての問い合わせの電話が極端に少なかったことにより、本来の対応に打ち込むことができたことは大きな成果と言える。

なお、活動拠点の主な役割としては、 1]待機ボランティアの受付 2]現地の要請を受けボランティアの派遣 3]ボランティア保険の加入手続 4]現地の要請を受けての物資の提供呼びかけ、物資収集、現地搬送等の「後方支援業務」と、 1]現地の情報の収集・提供 2]ボランティアの協力呼びかけ 3]物資の提供呼びかけ 4]活動情報の提供等の「情報提供業務」の二つの業務が中心であり、重要な取り組みであったと言える。

 

4. 活動終結期の対応

 

各市町の救援ボランティア活動の一時中断については、黒羽町が9月1日、黒磯市が9月9日、那須町が9月11日をもって、それぞれ一時中断することとなった。一時中断後の対応については、それぞれの社協が中心となり必要な対応をしていくこととなった。

県社協が設置した「ボランティア活動拠点」についても、黒磯市、那須町、黒羽町の終結状況を待って閉鎖した。

ボランティア活動の終息に当たっては、被災者とともに長期的に地域づくりを推進していかなければならない地元行政と地元社協が、住民の意見を参考にして判断していくべきであり、ボランティアはそうした趣旨を最大限に尊重し協力していく必要があると強く感じた。

 

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5. 救援活動資金について

 

被災地社協の救援ボランティア活動などに要した経費については、活動機材器具購入費、消耗品費、食料費、通信運搬費などの経費が必要となった。また被災地における活動経費についても、それぞれかなりの経費が必要となったと思われるが、できるだけ助成金などで対応するよう全社協等との指導を受けながら対応を図ったところである。

しかし、ボランティア活動が長期になる場合で、助成金による資金では十分賄えない状況が生じることが予想される場合には「募金」活動を行うことも必要ではないかと思われる。

今回も、那須町におけるボランティア活動にあっては支援金等の一部を募金活動等で賄っていくこととなった。ただこの場合、活動支援金等の使途を明らかにし終結時にはその報告をすることが必要と思われる。

 

6. おわリに

 

今回の災害における救援活動の中で、ボランティアの果たした役割は官民を問わず認めているところである。特に、個人の被災住宅の復興作業等においては、行政では対応しきれない内容の救援活動が積極的に展開された。

こうした素早い活動は、今後の災害の救援活動に大いに生かされるべきであり、行政においては、ボランティアによる救援活動を、災害対策指針の重要な活動として位置づけ、その活動拠点となる場所についても、公民館や体育館を計画の中に示して置くことが重要であると思う。

また、ボランティアによる救援活動の一部経費についても、何らかの対応ができるシステムを考えておくことも重要であり、こうした対応を十分検討しておくことにより、行政とボランティアが対等に立った円滑な運営が可能になっていくものと強く感じた今回の活動であった。

 

 

 

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