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市町村婦人防火クラブ幹部研修会における体験発表

 

婦防が築く「人の和・防火の輪」

 

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宮城県・山元町婦人防火クラブ連合会

会長 斎藤 孝子

 

私は宮城県から参りました山元町婦人防火クラブ連合会長の斎藤孝子と申します。

山元町は、仙台七夕で有名な宮城県の県都仙台市から南に約35キロ、福島県境と接する太平洋に面した宮城県最東南端に位置し、緑豊かな自然景観と相まって恵まれた風土からの海の幸、山の幸がふんだんに満喫できる健康で安らぎのある町でございます。

さて、このような私たちの町に最初の婦人防火クラブ組織ができましたのは、昭和47年3月のことです。

会員は町内の家庭の主婦を対象とし、全戸加入を目標に組織の拡充・強化に努めた結果、現在では独身世帯や男子世帯を除くほぼ100パーセントの組織加入を果たすなど、連合会傘下の会員総数は25支部4,453名を擁するまでに成長いたしております。

次に、防火クラブ活動等の主な取り組みの概要についてですが、普及から組織を挙げ、『火災予防は主婦の手で』を合言葉にそれぞれの地域や各家庭において火災予防に努めていることは勿論ですが、例年4月中旬に総会を開催しています。

事業の一つに、毎年6月12日の「県民の日」に合わせて町が主催する「総合防災訓練」への参加があります。災害はいつ・どこで・どのような形で私たちの平穏な日常生活を脅かしてくるかわかりません。

宮城県でも20年前の昭和53年6月12日午後5時14分に発生した宮城県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震によって死者28名、負傷者10,962名、家庭の全半壊7,500戸等の地震災害がもたらされました。

この宮城県沖地震災害を風化させないために、宮城県では毎年6月12日を「県民防災の日」として定め防災体制の確立と防災意識の高揚を図る目的で、県内一斉に総合防災訓練が実施されます。

私どもはこの日に、山元町が主催する総合防災訓練において「初期消火訓練」・「避難訓練」・「炊き出し訓練」等に参加をいたします。

また、春・秋の「全国火災予防運動」期間中には運動に協調して「かまど検査」と称し、防火クラブ員と消防団員が協力して各家庭を訪問のうえ、火災予防標語のチラシ配布や消火器の点検を実施するなど地域住民に直接「愛の一言」を添え、火災予防を呼びかけております。

年があけて、新年早々には、主催する消防出初め式にも参加いたします。出初め式では消防団員と一緒に町長の観閲を受けたり、分列行進を実施したりと実生活には程遠い体験に戸惑いながらも、必死で取り組んでおります。

多様な防火クラブ活動を通じて培った人の和(防火の輪)は地域で、一歩一歩確実に広がりを見せております。

この人の和は防火・防災の面に限らず、社会活動全般に亘って必ず良い方向に作用し「明るく・住みよい・和のある山元町」の実現につながると確信いたしております。

この人の和(防火の輪)が山元町から宮城県に、そして日本全国に広がったならどんなに素晴らしいことでしょう。

ご参会のみなさま!「母は強し」の心意気でどうか共に手を取り、力を合わせ、防火クラブ活動を通じて明るい地域社会の実現に邁進しようではありませんか。

最後になりましたが、(財)日本防火協会の限りない発展とご来賓の皆様、そして会場の皆様のご多幸を共に念願し、私の体験発表とさせていただきます。

 

 

 

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