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宇都宮市の現状

 

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栃木県・宇都宮婦人防火クラブ連合会

副会長 岡本 貴美子

 

宇都宮市は、栃木県の中央部に位置し県庁所在地でもございます。

西北に日光連山を望み、東に鬼怒川の清流があり、南東は関東平野が開け美しい自然環境に囲まれ歴史的にも有名な観光地として、多くの人に親しまれております。

それでは、宇都宮婦人防火クラブ連合会、地区クラブの活動現況を発表させていただきます。

今、NHK大河ドラマ『徳川慶喜』が放映されておりますのを、ご存知のことと思います。このドラマの中に明治維新を迎えるために『戊辰戦争』が起こります。その戊辰戦争で、中央部が火事で焼かれ、また、昭和19年7月12日には、軍都として栄えた宇都宮市でしたが、戦災により市の大半を焼失してしまいました。

昭和24年、呆然自失していた婦人達は、元国防婦人会の役員達が率先して婦人会を作り、社会活動をはじめました。

昭和36年、火災予防条例準則が制定され、家庭における『人命の尊重と火災の減少を図る』ためには、市町村に『民間防火組織の育成』の必要性が具体的に明示され、市消防本部から私どもの地区婦人会にも働き掛けがありました。当時の婦人会会長は、『婦人防火クラブの必要性』を自覚され、昭和36年7月市内第一番目に、婦人防火協力会を作りました。発足した協力会は、宇都宮市東地区婦人防火協力会という名称で全戸加入で、1戸10円の会費でした。その後、婦人防火協力会を婦人防火クラブと改名し、現在に至っております。

年間事業の主なものを具体的にご説明をさせていただきます。

『消防学校一日入校』でございますが、県消防学校をお借りして、婦人防火クラブ・少年消防クラブ・幼年消防クラブの指導者(先生)が一同に会し、『消火』『通報』『非常食作り』『救急法』等の体験を行っております。

『消防競技会』ですが、各地区2名の代表者が指導者と消火者で、スタートラインから前方の燃えている油の火を消し、スタートラインに戻るもので、迅速な行動と消火技術を競うものです。

『防火広報』ですが、日本防火協会からいただきました防火広報車を使わせていただき、春季・秋季全国火災予防週間の前に、全市内を防火広報活動しております。

それでは、私のクラブ活動の中で、忘れられない出来事を、ご報告させていただきます。

昭和61年11月、婦人防火200万人突破記念・婦人防火全国大会を宇都宮市で開き、今は亡き笹川良一会長のご臨席をいただき盛大に開催することが出来ましたことは、今だ心に残る思い出でございます。

また、婦人防火クラブが昭和63年3月連合会活動がより『活発にクラブの輪を広げる』ためにと、願いをこめて、宇都宮婦人防火クラブの歌を作りました。さらに、平成2年11月には、連合会結成20周年式典を会員4万5千名で開催することが出来ました。

毎年、1月の宇都宮市の通常出初め式に参加、法被を着用し大通りを行進しております。

なお、本年は、8月30日に県と市の合同総合防災訓練が行われます。参加に至っては、消防本部のご指導を受けて、クラブ員は『婦人防火』の名に恥じぬように努力し頑張って行きたいと思っております。

今後の活動といたしましては、地区で行った数多い防火教室や消防施設の見学、また組織体の人間関係など多くの人との出会いと触れ合いの中で培ったものを生かし『火災予防の重要性を深く認識し、一般家庭からの出火防止』に、積極的に力を注ぎ、『いざ』という時には、地域・社会に役立てるクラブ員を育てていかなければならないと思います。

 

 

 

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