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4] 健康証明書

船舶所有者は、船員である医師日本海員液済会又は船員保険会の病院の医師その他地方運輸局長が指定した医師が船内労働に適することを証明した健康証明書を受有しない者を船舶に乗り組ませてはならず、やむを得ず乗り組ませた場合でも、遅滞なく、その後に到着する港で健康証明書を受けさせる手続をしなければならないこととなっている(第83条、則第57条)(*1)。またその費用も、雇用中の船員にあっては船舶所有者の負担となる(則第56条の2)。なお、健康証明書は、則第55条に掲げられた検査の結果、同規則に定める基準に合格した旨の判定を船員手帳の該当欄(則第十六号書式第十四表、第十五表)に受けたものでなければならない。

(*1) 健康証明書の有効期間は1年(色神は6年)であるが、航海中に有効期間が満了したときは、その航海が終了するときまで、その健康証明書はなお有効であるとする(則第56条)。

 

5. 年少船員及び女子船員

 

(1) 総論

年少者は心身ともに未熟で成長の過程にあり、体力も未だ不十分で精神的にも安定していないうえに、労働者としての経験も浅い。また女子も生理、妊娠、出産等女子特有の問題があると同時に、割安の労働力として使用される弊がある。以上のようなことを考慮して、船員法は年少船員と女子船員について特別の保護規定を設けている。

 

(2)年少船員に係る規定

1] 未成年者の能力

未成年者は法定代理人の許可を受けなければ船員となることができないことになっている。許可を受けた未成年者の船員は、雇入契約に関しては、成年者と同一の能力を有することになる(第84条)。

2] 就業制限

(i) 船舶所有者は、15歳末満の者を船員として使用してはならないこととなっている。ただし、同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、この限りではない(第85条第1項)。

(ii) 船舶所有者は、18歳未満の者を船員として使用しようとするときは、当該船員の雇入契約成立の公認申請の際、船員手帳の該当欄に18歳に達する年月日を朱書し、これを地方運輸局長又は指定市町村長に提示してその認証を受けなければならないこととなっている(第85条第3項、則第57条の2)。

(iii) 船舶所有者は、18歳未溝の船員を船員労働安全衛生規則第28条、第74条で定める危険な船内作業又は安全衛生上有害な作業に従事させてはならないこととなっている(第85条第2項)。

3] 夜間労働の禁止

船舶所有者は、18未満の船員を午後8時から翌朝5時までの間、作業に従事させてはならない。

 

 

 

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