日本財団 図書館


アジア物流と日本の港湾経営

国際競争下の拠点港湾に関する研究調査

報告書

1999年3月

財団法人 関西経済研究センター

 

 

本報告書は、財団法人日本船舶振興会(日本財団)の平成10年度補助事業として実施した「国際競争下の拠点港湾に関する研究調査」の成果をとりまとめたものである。

企業活動のグローバリゼーションにともなって市場における競争は年々激化し、コスト削減の余地は次第に狭まっている。今後は、物流におけるロジスティクス戦略を構築することが、企業のコスト削減と収益性の改善につながると言っても過言ではない。

しかし、わが国の港湾を拠点とする物流政策においては、荷主ニーズの変化への対応が全般的に遅れ、わが国の港湾は国際競争の地位を低下させている。港湾施設や情報ネットワークの整備だけでなく、港湾管理の仕組みや集貨体制そのものが国際的な水準に達していないことが非効率の原因と考えられる。物流サービスの非効率性をこのまま放置すれば、企業活動だけでなく地域経済や消費者にも影響を及ぼすと懸念される。早急に国際競争を視野に入れた物流システムについての長期ビジョンを確立するとともに、地方分権化の流れのなかで自治体の地域産業政策と整合した港湾経営の仕組みを再構築する必要がある。

本調査の目的は、国内荷主のロジスティクス戦略と国際物流業の動向を踏まえながら、アジア域内の主要港湾との競争を念頭においた効率的な港湾経営のあり方を研究し、物流拠点を抱えた港湾都市に現実的な指針を提案することにある。平成9年度の研究成果をさらに進展させ、国内ならびに海外インタビュー調査で得られた最新の情報を現状分析とモデル分析に加えて充実した研究成果をあげている。

調査を進めるにあたっては、宮下國生神戸大学経営学部教授を委員長とする「国際競争下の拠点港湾に関する研究調査委員会」の各位よりご意見、ご指導を賜るとともに、国内および海外関係業界の方々から多大なご協力を頂いた。ここに厚く感謝の意を表する次第である。

 

平成11年3月

財団法人 関西経済研究センター

理事長 新宮 康男

 

 

 

目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION