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【事例3】衝突

5月17日、モーターボートM丸(3名乗船)は夜釣り目的で海部郡弥富町船溜まりから名古屋港高潮防波堤中央堤向け航行中、見張り不充分のため名古屋港木材港に設置されている係船浮標に気付くことなく、正面衝突したもの。

乗船者3名は骨折等の負傷を負った。

・主たる海難の原因 見張不充分

 

【事例4】衝突

7月25日、水上オートバイM号(1名乗船)は豊橋港内で遊走中、無資格であり、また、水上オートバイの操船が初めてであったことから、操縦方法が分からず、岸壁に衝突したもの。

乗船者は両大腿骨骨折等の負傷を負った。

・主たる海難の原因 操船不適切

 

【事例5】転覆

10月8日、ヨットA号(2名乗船)は幡豆町沖合にて帆走中、北西の強風により、数回転覆し、その都度自力により船体を引き起こしたが、体力の低下に伴い、引き起こしが困難となり、沖合に漂流したもの。

乗船者2名及び船体は付近を航行していた旅客船により救助された。

・主たる海難の原因 気象・海象不注意

 

【事例6】衝突

10月24日、逆漁船Κ丸(14名乗船)は鎧崎灯台沖合で錨泊のうえ遊漁中、右舷側約200メートルに高速で接近する漁船に気付き、錨泊のまま機関を後進にするも間に合わず、K丸右舷船首と漁船左舷船首が衝突したもの。

乗客11名と乗組員2名は僚船により救助され、船体は船長操船のうえ、自力入港した。

・主たる海難の原因 見張不充分

 

【事例7】転覆

11月8日、モーターボートU号(1名乗船)は三重県南勢町迫間浦を出港し南島町見江島向け航行中、台風の影響による大波により転覆したもの。

乗船者は付近漁船により救助されたが、病院にて死亡が確認された。船体は近くの海岸へ漂着した。

・主たる海難の原因 気象・海象不注意

 

以上のように、事故事例をいくつか紹介しましたが、これらはいずれも運航者が、プレジャーボート等を運航する際、充分な見張り、適切な操船、気象・海象の把握、発航前検査等の基本的事項を守っていれば、充分回避できた事故であり、これらの事例を教訓として、より一層の安全運航につとめられるようお願いします。

 

3. プレジャーボート等の安全対策について

 

レジャー活動は、愛好者自身が自らの自覚と努力によって必要な海事知識や技術を習得し、安全に対する認識を十分に持って行うべきものでありますが、前記のとおり、事故の原因は初歩的な知識・技術の不足等基本的事項の欠如によるものが依然として多い現状にあります。

第四管区海上保安本部では、愛好者の安全意識の高揚を図るため、従来から海事関係団体との共催により、海難防止強調運動を展開しているほか、ビデオ、スライド等の教材を使用した海難防止講習会、海上安全教室、訪船指導等を実施し、海事関係者のみならず広く国民に対し海難防止思想の普及、高揚を図っています。

 

 

 

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