日本財団 図書館


107-1.gif

図2-3-14 対生物毒性の比較(ヒメダカ)

(注:グラフは、数値が高いものほど有効性が低いことを示す。)

 

調査の結果から、ヒメダカを用いた急性毒性試験の結果では、試作した航空機散布用油処理剤は、今回の調査に用いた洗剤やコーヒーに比べ、有害性が低い結果となっている。

 

4 まとめ

試作した航空機散布用油処理剤について、基本性能や有害性について調査した結果、基本性能については、油への散布率を4%とした自己かく拌型油処理剤の試験法であるMDPC法によった場合でも、20%以上の分散率が得られており、また、II-2-2の試験法の検証の項で行った舶査第52号による試験(油処理剤の散布率は20%)の結果からも20%以上の分散率が得られている。後者については、試験油に3,000cStのC重油を用いていることから、舶査第52号による試験の結果そのものではないが、同通達が規定するB重油を用いて試験を行えば、油種の違いといった油との相性の問題はあるものの、試験油の粘度が低いことから更に高い分散率が得られるものと予想される。また、有害性についても、運輸省令に定める基準を満たす結果が得られており、これらのことから、航空機散布用油処理剤の実用化の目処が立ったと考えられるので、次年度には運輸大臣に型式承認を申請する予定である。

なお、低散布率での性能調査や高粘度油に対する性能調査の結果からは、まだ性能面での改善の余地もあると考えられるので、供試体の実用化の推進と併せて性能の向上についての調査を実施し、また、供試体の持つ界面活性剤の生分解度等についても調査していくことといたしたい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION