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図例は、3段式ソケット方式で、1・2段は定寸(100mm)刻みの伸縮、3段目が捩子回転での微調整伸縮となっていて、上下差1.5mが無段階にセットできる。

升目の格子点は、縦方向(1、2、3、・・・)横方向(A,B,C・・・)に等分ピッチで配されることが多いが、幅×長さ=500×750のように決めてもよい。

要するに、自造船所としての:-

1)支持強度と荷重

2)ブロック下空間の交通と作業(例:裏波用バッキング取付など)

を勘案すればよいのである。

 

よく「ピン治具は壊れ易い」として、その都度準備の支持材溶接/切断に止まっている造船所を見掛けるが、その、その都度方式でも、いずこも例外なく、外板加工や支持材準備または相互の配置などに起因する精度が悪く、支持点が当たったり、当たらなかったりしている。おそらく、かって壊れたのは、板配材時や、骨組み取付時などに、計画を大幅に超えた不均等な荷重が集中したに違いない。

細かく言うと、支持点は[図5.1.4 ピン治具上端]のS:外板の外(曲)面と治具先端の球(面)の接点である。支持荷重は偏心し、治具構造に曲げモーメントが働くことになる。

この詳細図は、治具軸(線)とS(点)を含む切断面を描いたもので:-

T=外板厚(ブロック内で異なる)

R=治具先端球の半径(一定)

A=外板内(・)面と治具軸(心)の交点

a先端球がS点で外板外面を支えたときの治具上端

C=セット高さを与える治具の鍔位置:

aC=一定

とすれば、

H=治具のセット高さ(治具の最縮長位置から計る)

となる。ここで注意したいのは、正確にはAとaを混同できないことである。

ただし、一般には外板の傾斜角が大きくないので、その条件内においてのみ近似的に[Aa=T]として大差はない。

 

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図5.1.4 ピン治具上端

 

 

 

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