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船体基準線以外は、それぞれ目的に応じて、部分的に使用されるものである。船体基準線が既に使われており、その目的にも兼用できるなら当然付加されることはない。

 

1)マーキン基線

定規を用いてマーキンを行うときに、最初に描き(これを「基線を立てる」という)、以降のマーキン作業の準拠する基準となる線を総称する。

組立工程での板継ぎ後の仕上げマーキンは、マーキン対象材が大きく、精度を要するので、基線を立てた定規マーキンが主体となる。

加工工程の部材マーキンでは、やはり部材が比較的大きく、型作成では精度伝達に懸念がある場合は、マーキン手順が面倒でも基線を立てての定規マーキンとしている。

詳細は事例に則して後述とする。

 

2)型直線、連直線、見透線

部材形状の確認のための参照・チェック・検査に用いられる直線類で、現図工程の型定規作成段階で決めるものである。

「型直線」とは、[図2.3.16 型直線]に示すように、型や部材が比較的細長く、その全長に渡る直線、または直線辺がない場合に限って、

●木型など組立後の運搬や保管による型自身の狂い

●フイルム型などペラペラした形状をマーキンのため素材上に置いたときの位置の狂い

●部材切断後の熱歪み、または部材組立後の溶接歪みを検出し、是正するために設けるものである。

他の目的でも、なんらかの直線があれば、それが利用できるので、別途設けるにおよばない。

「連直」線は、複数のモノを連絡する合マークを兼ねた共通直線をいう。その目的から連絡線と呼ばれることもある。[図2.3.17 連直線]に、その例を示す。

●マーキン用

部材精度上から定規マーキンにするが、部材の一部に型にした方がマーキンしやすい場面があり、その部分のみ型にすることがある。その型のことを「一部型」と称する。その場合、定規部分にある直線を、一部型にも描いておけば、その線を重ねることで、定規と型の形状が接続できる。図例では、部材の下辺に直線があり、その線を部材端まで伸ばして、連直線とするのである。この一部型のマーキン位置押えは、型定規のどちらにもあるR止まり位置より、黒丸●で示す部材端とするのがよい。

 

060-1.gif

図2.3.16 型直線

 

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図2.3.17 連直線

 

 

 

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