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3.2 モデル実験

 

3.2.1 供試品

モデル案験に便用した燃料噴射弁仕様を表1に示す。燃料噴射弁A(標準)では等速度カム、燃料噴射弁B・C・D・E(プレ)は2段速度カムを用いた。なお、本モデル実験においてはディーゼル軽油を使用した。

 

表1 燃料噴射弁仕様

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3.2.2 モデル実験方法及び項目

モデル実験装置を図3に示す。計測圧力容器に取り付けた燃料噴射弁から、燃料を噴射させる。このとき、タイミング遅延回路によりCCDカメラシャッタタイミングを制御し、噴霧画像データを採取した。また、ニードルリフト及び燃料噴射圧力も計測した。なお、計測圧力容器内は高密度不活性ガスを0.196Mpaの圧力で封入し、安全性を確保すると共に雰囲気密度を高めた。

燃料噴射弁A(標準)については開弁圧力変更、燃料噴射弁B・C・D・E(プレ)は、プレ開弁圧力を変更して実験を行った。

 

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図3 モデル実験装置

 

3.2.3 モデル実験結果

図4に燃料噴射弁A(標準)およびB・C・D・E(プレ)の噴霧写真撮影結果を示す。写真上の視野径はφ490である。時間(t)は燃料噴射開始からの時間を示す。

結果より燃料噴射弁A(標準)は時間経過と共に噴霧が一様に広がっている。一方、燃料噴射弁B・C・D・E(プレ)では、まず噴射初期にはプレ噴口からのみ噴射し、続いてメイン噴口からの噴射が始まり、プレ噴射された噴霧に追いつくような噴霧形態となっている。これらの結果から、本調査研究において開発したプレ噴射を備えた燃料噴射弁は、設計通りプレ噴射からメイン噴射への切り替わりが成り立ち、噴射要件を満たしていることが実証された。

 

 

 

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