資料
経済構造改革支援のための特別円借款
平成11年2月26日
外務省有償資金協力課
昨年11月16日に発表された緊急経済対策(注)を受け、3年間で総額6000億円を上限とする特別円借款を創設することが決定され、昨年12月16日、ASEAN諸国首脳との会議のために訪問したハノイにおいて、小渕総理大臣より、政策演説の中で発表した。
【注:緊急経済対策該当部分】
III. 世界経済リスクヘの対応
2. アジアの現地日系企業等に対する支援
・・・また、我が国企業の事業参加機会の拡大を図るため、・・・(中路)・・・円借款に関し、関係省庁においてアジア諸国等の経済構造改革を進めるための特別の円借款の創設について早急に検討する。・・・
1. 措置の目的
本特別円借款は、アジア経済の早期回復に向けて景気刺激効果および雇用促進効果が高い事業を推進するとともに、民間投資にとって魅力ある事業環境を整備し、生産性を向上させることで経済構造改革を実現することを目的として、物流の効率化、生産基盤強化、大規模災害対策の3分野におけるインフラ整備等のための資金ニーズの手当てを図る。
2. 措置の概要
(1) 事業規模
○ 通常の年次・非年次の供与額・プロセスに影響を与えない特別分として、99年度以降3年間で6000億円を上限として供与(別枠で各年2000億円を目安)。
(2) 供与条件
○ 当面は、金利1%、償還期間40年(うち10年据置)。
○ 金利水準の動向等に応じ、国際ルール上タイドが可能となる水準に自動的・機械的に見直す(但し、0.75%を下回らない)。
(3) 融資比率
○ 総事業費の85%までを円借款の融資対象とする。
(4) 調達条件
○ 国際ルール上可能な範囲で、主契約者は原則として日本タイド。(但し、コスト抑制の観点から2次調達以降は一般アンタイド[詳細検討中])。
(5) 対象国
○ 経済危機の影響を受けているアジア諸国等。
* 原則としてアジア諸国。それ以外は、経済成長率、失業率等から判断して経済危機の影響を受け本措置が必要と認められる特段の事由がある国。
* 中進国も対象となりうるが、対象分野は従来通りの範囲。但し、マレイシアは下記の対象分野も供与対象とする。
(6) 対象分野
○ 物流の効率化(道路、港湾、空港、橋梁、鉄道)
○ 生産基盤強化(発電所、灌漑、天然ガスパイプライン、上水道)
○ 大規模災害対策
(了)