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4. 鉄道輸送

鉄道は、マラタニ港─クスコ─キャバンバ間等で運行されておる国有鉄道公社の南鉄道が、国内最大の旅客輸送の実績を持ち、特のクスコ─マチュピチュ間等は観光鉄道として重要な機能を果たしている。しかし広大な国土に比べ鉄路の延長距離が余りにも短く、且つ、軌道の幅、気道車等も可成り以前の各国からの援助等に依る物のため、統一がなく整備状況も良くない班から現状では、これ以上の輸送能力の増加は難しい。

 

5. 港湾・海上輸送

日本では、一般に港湾設備が有るのは、海に面した地区、特にペルーに於いては太平洋側にのみ存在しているように考えられていますが、森林地帯のアマゾン川の支流にも数千トン級の貨物船が利用出来る3級港湾(イキトス)を始めとし、3カ所の4級港湾が存在している。しかしながら、当国太平洋側最大の玄関港であるカヤオ港でさえも、現在コンテナヤードの整備に取りかかり始めたってばかりであり、その他の港湾の設備は前近代的なものである。

 

6. 観光

ペルーでは、観光を工・鉱業、農業、漁業と共に4つの重点政策の1つに揚げて観光政策に取り組んでいる。1988年に35.9万人であった外国人観光客が、経済不安とテロによる治安の悪化により、1992年には21.7万人まで減少した。1993年以降治安の回復と共に増加し始め、1993年には27.1万人、1994年には38.6万人、1995年には48.5万人、1996年には47.1万人(日本人観光客約3万人)を数えるに至った。本年は、昨年12月17日の公邸占拠事件及び早稲田大学探検部員殺害事件の影響と、受入施設の整備不良及び中南米一と云われる物価高に、日本人観光客が二の足を踏んでいる為か、昨年8月までの日本人観光客は昨年同時期に比べ65%減(それ以後についても、依然日本人観光客の増加の材料はなにも無い。)となっているにも拘わらず、85%の伸びを示している。本来、当国はインカ、プレインカの貴重な文化遺跡を、有する国であり、今後の対策如何に依っては、まだまだ観光客の大幅な増加が期待できる。

 

7. 気象

ペルーは、南緯0度から18度の間に位置し、地理的には熱帯に属するがアンデス山脈、フンボルト海流、南高気圧の影響で極めて多様性に富んだ気候分布となっている。海岸地帯の優性的水不足、エルニーニョの影響に依る不安定な気候、大気汚染と酸性雨に代表される環境汚染問題、地震大国であるという事実及び世界で最も砂漠化しやすい地帯に属している国土と言われている等々、御多分に漏れず種々の問題を抱えている。

(参考)運輸関係主要指標(1995年)

空港数 30

港湾数 21

道路延長 73,440km

自動車一台当たりの人口 27人

鉄道延長 2,121km

 

 

 

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