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人口は4,600万人。

南北にイラワジ川が縦断しておりまして、この主水系だけで約1,500キロ、デルタ地帯の水系ですとか、その他チンドウィン川といったような水系を交えると4,700キロということになりまして、メコン川のそれが約4,200キロといわれておりますので、それを超えるような大きな川が流れております。

中国またはインドとの国境付近は、かなり急峻な山地になっていまして、2,000メートル級の山が連なる。一番高い山、カカボラジ山というのがありますが、5,881メートル。中国との国境の近くにあるそうですが、つい先般、日本人の尾崎さんという方が初登頂されたということでございます。

首都はヤンゴン。ラングーンといったほうがなじみがある方も多いかもしれません。人口が約300万人から400万人といわれております。ヤンゴンのいわゆる都市部に何人住んでいるかというようなデータがございません。ヤンゴン管区では約500万人、大体ヤンゴン市内に300万人ぐらいだろうなということです。

第2の都市は、マンダレーという、ヤンゴンから北に約600キロ上がったところにあります。日本でいうところの大阪と京都をまぜたような感じの都市でして、古い都のあった場所です。

第3の都市は、モールメインという、ヤンゴンから東の方向に海沿いに行ったところでして、ここまででも距離が約二、三百キロはあります。二、三百キロしかないんですけれども、車で行くと8時間ぐらいかかります。そういった都市です。

それから第4の都市が、これはピーダといわれています。ピーダというのは、ヤンゴンから北に200キロぐらい上がったところの都市でございます。人口は大体30万人程度だといわれております。

ヤンゴンは大都市ですが、ヤンゴンも含め、全土にわたり手つかずの自然に覆われているといった感じの国でございます。ガスや貴金属、石油といった天然資源、チーク材をはじめとする森林資源、天然エビをはじめとするような水産資源の宝庫ということでございます。最近では、海上油田の開発が、特に欧米資本をもとに進められております。

天然エビについては、日本資本が中心になって開発しておりまして、我が国はエビの大量な輸入国でございますが、そのうちの約5%が天然エビなんだそうですが、その5%のうちのほとんどはミャンマー産だといわれています。

それから、チーク材については、タイ側から密伐採がかなりされているということでございますが、それにしてもまだ宝庫であるのは間違いないということです。ある日本人の方は、大昔に、大昔というか、英国が占領したころも含めてということですけれども、このイラワジ川を使っておりてきたチーク材が、かなり川の底に沈んでおりまして、それを引き上げて商売にされている方がいらっしゃいます。チーク材の原木を切り倒すことは政府の許可がかなり厳しくて認められないのですが、水の中に沈んでいるものを拾うことはオーケーということで、それをとって商売にされている方がいらっしゃるぐらいでございます。品質も全然悪くないんだそうです。

天然資源等の宝庫でございますが、国内の交遊体系は大したことがないということで、そういった資源はまだ眠ったままであるというのが実情だと思います。

次に、歴史的なことについてちょっとお話しさせていただきたいと思いますが、資料でいいますと3ページ、それから4ページのところでございます。

1886年に英国の植民地になりまして、そのとき英国が統治する方法といたしまして、英国の下にまずインド人を置きまして、インド人の下にキリスト教徒。キリスト教徒というのは、基本的にビルマ族以外のカレン民族とかの少数民族であったわけですが、その下にビルマ族を置くという、これは英国の統治のやり方としてはうまいやり方だったのかもしれませんが、そういうような統治の仕方をしました。これが今も続く内政上の大きな問題の原点になっているということです。

すなわち、第二次大戦後に少数民族が反乱して、その内戦がつい最近まで続いていた。今も一部では続いている。それがゆえに軍政があって国家統一が難しくなっている。国民会議がなかなか開かれないというのも、根はこういうところにあります。タイ国境でカレン族のキャンプがどうだこうだという新聞記事が結構出ておりますが、こういったことも、根の根を掘っていくと、ここの英国植民地時代のこういったことがあるということでございます。

一時はビルマ政府といわないでヤンゴン政府といいまして、ヤンゴンの中心から約15キロぐらい、空港の辺りのインセインと砲撃をし合ったというような時代もあったそうです。

 

 

 

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