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開発途上国の運輸分野国際協力に関するセミナー

第2回(平成10年9月25日)

 

第一部 「ミャンマーの運輸事情」

 

【男竹理事】 大変お待たせしました。時間が参りましたので、これからセミナーを始めたいと思います。

本日は、大変お忙しいなかお越しいただきましてありがとうございます。本日のセミナーは、日本財団の補助事業で、今回が第2回目でございますが、「開発途上国の運輸分野国際協力に関するセミナー」、本日は、運輸省から在外公館へ運輸アタッシェとしてご活躍されました方、あるいは、JICAの専門家として途上国でご活躍された方をお招きして、現地の運輸事情等についてお話を伺うことにしております。

それでは、まず最初に、ことし3月、ミャンマーからお帰りになりました川上さんをご紹介します。よろしくお願いします。

【川上講師】 川上でございます。よろしくお願いいたします。

きょうは、OHPとかを用意してきていませんので、申しわけございませんが、お配りした資料に基づきまして、何分ぐらいでしょうか。

【男竹理事】 そうですね、40分か45分ぐらいお話しいただければと思います。

【川上講師】 簡単にミャンマーの事情についてご説明させていただきたいと思います。私は、現在、運輸省の港湾局民活室というところにおります川上でございます。95年3月から98年3月まで3年ちょい、在ミャンマーの日本大使館の経済班に在籍いたしまして、運輸、観光、通信関係全般、それから経済協力といったことを担当してまいりました。ただ、ご存じのとおり、ミャンマーについては、我が国のODAが、88年、ミャンマーの民主化運動による暴動が発生して以来、基礎的生活分野を除いては、原則ストップしておりました関係上、経済協力全般と今言いましたけれども、実質的には、運輸関係というものにはほとんどタッチすることができなくて、教育ですとか、そういったことも多少手を染めてやらせていただいておりました。

今申し上げましたように、この3年間において、経済協力が、欧米、日本も含めて中断していたということで、特段の進展が見られなかったというのが実情ですが、しかし、いわゆる政治的な問題さえ解決すれば、その解決した何年か後には、以前のように我が国のODAの重点国になるであろうということは、ほぼ確実であろうということなので、きょうお話しする内容がそのときの参考になれば幸いでございます。

きょうお越しの方々の中には、何回もミャンマーを訪れたことがあって、私よりも詳しい方もいらっしゃるのではないかと思いますが、とりあえずミャンマーという国を簡単にご紹介させていただきまして、その後、運輸関係の実情といったものもお話しさせていただければと思います。

また、私が帰国してから既にもう半年が過ぎておりまして、当時の同僚等に電話等でいろいろ聞いてはおりますけれども、私の話す内容は、多少情報が古くて、今のこととは違うかもしれませんが、そこはご容赦いただきたいと思います。

それから、政治的な面に関しまして、かなり私の私見を交えたような話をさせていただこうと思いますけれども、これはあくまで私見でございまして、外務省とか、あるいは日本政府の立場ではないということをちょっと最初に言わせていただきたいと思います。

それでは、資料に基づきまして簡単にご説明させていただきます。

まずミャンマーの国土でございますけれども、資料の2ページ、それから5ページの地図をごらんいただければと思います。

ミャンマーは、東にタイ、ちょっと上のほうにラオス、北東の方向に中国、その反対側にインド、真西に当たるところにバングラデシュ、全部で5カ国と国を接しております。東南アジアと中国、それから中国、インドという大国に挟まれた地域として、戦略上大変重要な位置にあるということになります。

面積は約68万平方キロメートル。日本の約1.8倍ということで、東南アジアではインドネシアに次ぐ大きさということになります。

 

 

 

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