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<Van Phongの立地条件の詳細はどうなっていますか。>

ここの横幅は約2kmで、ターミナル建設予定地の全面積は約60km2にわたります。水深は15〜22mです。この地点の水深は37mあります。Van Phongの立地条件により、台風や北からの季節風から影響を受けにくくなっています。また、世界中からの大型船舶にも対応できます。現在、世界一の大型船舶は、載貨重量50万トン、喫水27mのタンカーです。Van Phongには空港の建設も可能です。現状では、Van Phong港は積み替え市場で、シンガポールや香港と競争できると思います。

ここで中部の港の概要について、少々述べたいと思います。

ヴィエトナム北部における戦争の間、中国の船舶はヴィエトナム中部に船荷を輸送できなかったので、北南海流を利用せざるを得ませんでした。小麦は4重したビニール袋に詰め、自然の浮力を利用し北部から南部まで運んだのです。したがってここの海流は非常に強いということができるので、中部の海岸線沿いの港は海流という点でもっと注目されていいはずです。喫水の深さに比例して投下資本は急激に上昇しかねないことはわかっていますので、北向きのChan May港やDung Quat港では、投資コストという点で適切ではないかも知れません。例えば、Chan May港は北向きなので北から南へ流れる海流に逆らう形となり、中部からの季節風は北から南へ吹く風となるので、港はすべて北向きに作られており、北西向きでは季節風の強い時期に対処できません。Dung Quat港もChan May港と同じ向きになっています。この地域では防波堤を造れば造るほど、沖積層が拡大してしまいます。

 

■ グェン・クアン・バウ(TDSI所長)

東西運輸回廊は、当該地域諸国の運輸活動を促進するだけでなく、関係諸国の協力関係の構築にも重要な役割を果たすものと我々は確信しています。我々の理解では、タイ東北部と日本、韓国、台湾、香港をはじめとする北アジアとの間の輸出入品の輸送ニーズは、タイの全輸出入品の30〜35%を占めています。現在、タイの輸出入品のほとんどはバンコクに集中しています。それでも、今後タイ東北部の経済がさらに発展すれば、北アジア諸国との輸出入の需要は拡大すると考えています。ここで比較をしてみますと、タイ東北部の中心からバンコク港までの距離は道路や鉄道で約400km、バンコクから日本までは海路で約2,800海里です。東西回廊が整備されれば、タイ東北部からヴィエトナムの海港まではバンコクまでと同距離の約400kmになります。しかし、Chan MayやVung Angをはじめとするヴィエトナムの港から日本まではわずか1,800海里であり、タイ東北部やラオスと北アジア諸国間の輸出入はヴィエトナムの港経由で積み替えを行なえば、距離にして約1,200海里の短縮になります。したがって、ヴィエト

 

 

 

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