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港湾システムは、プノンペンを含むいくつかの河川港とシアヌークビル港からなり、シアヌークビル港は最大13,000重量トンまでの満載船舶を受け入れることのできる唯一の深水海港である。内陸水路システムは、メコン川とその支流からなり、航行可能な水路は全体で1,750kmに及び、その内580kmは1年を通して航行可能である。

カンボディアでは、カンボディアが世界の貿易活動に大きく開かれた5年前から、貨物のコンテナ化の傾向が急速に進んでいる。これはもちろん、ドライ・ポート(陸上基地)のシアヌークビル港およびプノンペン港との競争力を高めるものである。しかしながら、これまでのところ、内陸のコンテナ基地は、1997年後期から半官半民会社によって運営されているものが一つあるだけである。

カンボディアは1960年代の終りまでに30もの飛行場を持っていたが、現在はその内数カ所のみが運営されている。カンボディアの民間航空輸送はほとんど完全にプノンペンとシエムレアップの二つの国際空港に集中しており、それぞれ首都と歴史的な遺跡であるアンコール・ワット寺院のために機能を果たしている。現在、プノンペン(ポチェントン空港)から毎日あるいは毎週、国際線の運航が行われているのは、バンコク、ホーチミン、香港、シンガポール、クアラルンプール(マレーシア)、ビエンチャンおよび広東(中国)である。シエムレアップ発の各週国際便は、バンコク向けだけである。

 

輸送部門の将来的改善計画

輸送システムが人口分布、経済復興、国土開発に大きな影響を与えることを認識して、公共工事・運輸省は、積極的にその入手し得る人的・物的資源をあらゆる形態の輸送システムの復旧と開発のために使用してきた。加えて、表3が示すように、カンボディア王国政府の1998年-2000年公共投資計画では、輸送部門は2億3110万米ドルの予算配分を受けている。製品の比較優位性、規模の経済およびカンボディアの社会的・政治的な環境といった問題を考慮して、計画されている予算は、おもにアジア・ハイウェイ改良プロジェクトおよび他の主要国道、県道の復旧プロジエクトに集中している(参照:表4)。

 

2) 地理、人口、経済

カンボディアの地理的位置は、活動の盛んな大メコン流域にあってカンボディアが地域輸送と貿易のセンターとなる戦略的可能性を提供するものであり、地域的機関の行政サービス*1にも適した場所となっているのである。カンボディアは、旧インドシナ半島の南西部に位置しており、その国土の20%は農業に使用されている。また、完全に熱帯に属しており、最南部は赤道の北、10度をわずか超えた地点に位置している。

 

 

 

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