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3 解撤事業

 

3.1 世界の解撤業の推移

解撤業は労働集約型であるから、人件費の低い国を求めて移動している。日本でもかつては盛んであったが、人件費の高騰のために採算性が悪化し、韓国、台湾へシフトしていった。表3.1.1は解撤事業を行っている主要な国の解撤能力の推移を示したものである。この中ですでに台湾と韓国は1997年に解撤ビジネスから撤退し、中国は同年中古船の高騰のために中断している。

 

表3.1.1 主要国の解撤能力の推移

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注) 貝塚誠治:海事産業研究所報、No.382,1998.4

 

図3.1.1は解撤船価格と解撤船腹量の推移を示すものである。図から分かるように解撤船の価格は大きく変動しており、最も高いときには265ドルにも達している。そのようなときには、解撤事業は経済的に成り立たないので、解撤の量も著しく低下する。今年の初めからはかなり解撤船の価格は低下しており、この理由は昨年発生したインドにおける爆発事故によって、当局がガスフリー規制を強化したために、インドの解撤能力が低下したことが一因である。

 

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図3.1.1 解撤船価格と解撤船腹量

注) 貝塚誠治:海事産業研究所報、No.382,1998.4

 

 

 

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