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村岡室長(地質調査所)より、葛根田地熱井では脆性/塑性境界を初めて掘り抜き、1070度Cという世界最高記録を達成したことなどの成果が紹介された。

エムマーマン所長(独地球科学研究センター)より、独超深層大陸掘削計画(KTB)の科学的・技術的成果及び国際陸上科学掘削計画(ICDP)のもとで世界各地で計画されている陸上掘削計画が紹介された。

金森教授(カルフォルエア工科大学)より、プレート境界での結合度の不均一性が地震の強度に影響し、地震発生時にはセントヘレンズ山の噴火エネルギーに匹敵する高温によってプレート結合部分が融解すること、水の存在や透水率によって融点が変わること、それらの複雑な要因のため、前兆現象から実際の地震発生を予測することが難しいことなどの研究成果が紹介された。

 

(3.5) 特別講演「海、知られざる世界」

日向NHKエクゼクティブ・プロデューサより、地球科学の専門家ではない立場から、地球科学番組の制作に携わった動機、地球科学の問題、特にカメラでは映せない広大な深海での現象を映像化することの苦労、番組に対し視聴者から高い評価があったこと等が述べられた。

特に、報道人から研究者への期待として、日本の研究者は専門分野が細分化されていて意外に他の分野のことを知らない、仮説に対し慎重である、未来に対しどう関係するのかという全体像を大胆に描いて欲しいことなどが述べられた。

また、極めて美しいCG映像がビデオで紹介され、参加者に大きな感銘を与えた。

 

(3.6) パネル討論「地球科学掘削をどう進めるか」

OD21の評価の外国レビュアーを務めたブライデン教授(英オックスフォード大学)がコーディネータとなり、木下部長(海洋科学技術センター)、末広教授(東京大学海洋研究所)、モラン部長(米海洋研究所連合)、エムマーマン所長、東助教授(極地研究所)、バーク教授(ヒューストン大学)がパネリストとなり、水床掘削、陸上掘削、深海掘削の協力の在り方についてパネルディスカッションが行われた。

各パネラーより、ODPと大陸掘削(ICDP)、北極圏掘削(NAD)、MARGINS、珊瑚礁掘削、IMAGESとの連携の現状、日本国内での陸上掘削と地熱掘削など産業界との協力状況などが紹介された。また、さまざまな科学掘削、別の地域の掘削が同じ年代、タイムスケールで比較できるようにすること、グローバルな長期観測網を陸域だけでなく海域にも繋げること、若い研究者を育成することなどが協力して取り組むべき課題であることが強調された。

最後に、さまざまな科学掘削分野の専門家が一堂に会する機会がこれまでなかった。今回のフォーラムは極めて有益な機会を提供し大きな成果をあげたことに対し、コーディネータから主催者に謝辞が述べられた。

 

4). 成果の取りまとめ

今回のフォーラムの成果は報告書として取りまとめて印刷し、関係者に配布する。また、海洋科学技術センターのホームページでも公開する。また、参加者名簿については、今後の普及啓発活動に活用する。

 

 

 

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