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与えられた上記設計思想から、掘削オペレーターの知恵を拝借しながら、最適掘削船(Gusto 10000型)の設計ができた。

また、他の掘削オペレーターからの掘削と長期ウエルテスト/生産関係の要望を織り込み、Gusto 10000型の改造型としてGusto P-10000型を設計した。

深海掘削に於ては全深さ(全ドリルストリング長さ)に対して海底下の掘削深度は相対的に浅くなる;即ち本来の直接作業である海底下の掘削作業に比べて間接的な作業操作の比重が大きくなる。

この見知から、本船は'Dual Derrick'方式ではなく'Dual Handling'コンセプトの方を発展させた。('Dual Derrick'方式は)深海/DPモードに於て10,000ft(約3,000m)ものストリングス2本を僅か数フィートの距離でぶら下げて、特に一方が回転している状態等とても現実的とは考えられない。言い換えると、設備の利点を最大限に引きだすことが出来ないにもかかわらず初期投資額が高い。

我々の'Dual Handling'方式は、間接的作業操作も出来ることによりハンドリング時間の短縮が期待される。

この'DualHandling'の能力/内容はTABLE 1と2に示されている。

(TABLE 1はSummary of technical data 'Gusto 10000'、TABLE 2はSummary of technical data 'Gusto P-10000'。船/掘削関係主要目が示されている)

Gusto 10000とGusto P-10000の一般配置はフィギュアー1及び2に各々示されている。

 

Gusto 10000の概要/特徴

発電プラント;

DPSの2重冗長性或いは3重冗長性(NMD2或いは3に相当)に対応できる。即ち経済性を考慮して50%出力の2つの独立した機関室を装備している。

機関室の隣りには、各々2つに分離されたポンプ室及び補助機関室がある。

動力は機関室当たり3台、計6台×4,860kwのディーゼル発電機関にて賄う。電力は二つの分離された配電盤室から給電される。

電路配置についても冗長性が考慮されている。結論的には、10年周期の嵐の状態下で1つの機関室がだめな場合でも、船を最適な方向に操船することが出来れば掘削船は操業できる。

機関室は排気ガスが掘削作業に影響を与えないよう、船の後部に配置されている。

掘削システムに付いても冗長性が考慮されている。2つの掘削用配電盤をムーンプール脇両舷に配置している。

パワーマネージメントシステムも装備され、各種作業状態はもとより起こり得る故障時を考慮しても、たえず十分な電力を確保できる。

ライザー積載;

75ft長さのライザーを10,000ft分搭載できる開放型ライザーホールドを装備。甲板上に装備する場合に比べ船の重心を下げる事に寄与している。

ライザーハンドリングはホールドの上部に専用のシステムを装備。ライザーハンドリングシステムが故障の場合は、前部のデッキクレーンにて行える。

 

 

 

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