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最初の新世代MUXBOPコントロールシステムの開発中にQRAが実施された。QRAの結果として、コントロールシステムの信頼性の向上のための設計変更がなされた。QRAはシステムの操作と構造に対する仮定を含んだシステムの初期形状を基に行われた。システムの設計が展開され完全に統合されたシステムの試験が行われた結果、フォールトツリーを開発するために用いられた仮定の幾つかは、もはや有効でないことが確認された。

 

Success Criteria Determination

定量的フォールトツリーモデルの開発の第1段階は要求される成功基準を決定することである。この成功基準は、システムが成功するための機能的なシステムに対する最小限の要求と定義される。この成功基準は、必要ではあるが重要ではないものを含むシステムに対しては、その設計要求により変わるものである。評価の第1の目的は、結果として甚大な環境破壊や人員の安全に対する大きな危険につながる可能性のあるようなシステムの故障の確率を決定することである。

評価の対象とする2つの作業シナリオとして、1)自動離脱作業(ADS:automatic disconnect sequence)と2)典型的なウェルコントロール作業を選択した。この両者の作業シナリオでは、必要となるファンクションは異なるものである。計画されたディスコネクトのようなその他の作業シナリオは、基本的には同様の機器の機能を要求するものであるが、時間的には緊急ではなくADSシナリオに包含されるものである。

ADSの実施時にコントロールシステムのソフトウェアにより起動されるファンクションを再検討し、この再検討とシステム設計者との議論に基づき基本的なファンクションが決定された。LMRPをBOPスタックから切り離す場合には坑井を密閉するためにシアラムを閉じることから、パイプラムを閉じるようなファンクションは必要なファンクションではあるが重要なファンクションではない。ADS時に甚大な環境破壊を防止するために必要となるファンクションは次の5つである。

シアラムを閉じる

ライザーをスタックから切り離す

上部及び下部チョークラインを閉じる

上部及び下部キルラインを閉じる

上部アニュラーを開ける

必要となる最小限の機能を決定するために、ウェルコントロール作業の実施の失敗が検討された。設計者と作業経験者との議論に基づき、ウェルコントロール作業の成功に必要なファンクションは以下のものであると定義された。

上部アニュラーを閉じる

2つのパイプラムまたはシアラムを閉じる

上部及び下部チョークラインを開ける

上部及び下部キルラインを開ける

この成功基準はフォールトツリーモデルの開発と評価の基礎となる。

 

System Boundary Definition

システムの利用可能なフォールトツリーモデルを効率的に開発するために、モデルの範囲と限界を定義するモデルの境界を構築した。これらの境界は、経験があり信頼ができ

 

 

 

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