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2.1.2.4 OTC 8791

 

Risk Assessment of a BOP and Control System for 10,000 Water Depth

10,000フィート水深用BOP及びコントロールシステムに関するリスク評価

 

Abstract

本論文は、10,000ftまでの水深で使用される新世代のBOPと複式(MUX)コントロールシステムに対して実施された定量的リスク評価(QRA:quantitive risk assessment)の概要である。環境に対する甚大な損害を防ぎ、人員に対する危険を最小限にすることがBOPの重要な役割である。システムの高い信頼性を得るために、最終組立の前に設計に対するリスク評価が実施された。信頼性は、システムに関するフォールトツリー(faulttree)の開発と定量化、故障モデルと影響解析(FMEA:failure model and effects analysis)の開発と定量化と言う2つの方法で評価された。両方の技法とも基本的には同様の結論を導きだしたが、フォールトツリー解析に対してより厳密な相互関係評価を行うことで洞察を得られることからFMEAの方が有益である。

重要なシステムの信頼性を向上させるためにQRA技法を適用することができる。設計段階でこれらの技法を用いることは、システムの初期操業に先立って信頼性に対する重要性を認識することとなる。この技法は、自動/手動の機械的/電気的/制御システムの全てに適用が可能である

評価されたシステムの信頼性は、システムの構成要素の十分な冗長性と連続監視により高いものである。設計の独自性により構成要素の特定の故障に関するデータは限られていたが、一般情報、設計者との議論、技術的判断を基に代表的なデータを構築した。モデルがシステムを精確に反映していることを確認するために、設計者と共に故障の組合せ(いわゆるcutsets)を再検討した。重要性の尺度を決めるために、個々の設計の特徴と故障データに基づく結果の感受性の相対的重要度が評価された。

BOPおよびコントロールシステムの信頼性は高いと認識されているものの、解析結果から高いレベルの信頼性の維持と向上のための提言が得られた。

 

Introduction

Hydril社はTransocean Offshore社の掘削船Discoverer Seven Seasに搭載・使用されるBOPおよびコントロールシステムを設計・製造した。BOPは水深10,000ftの大水深用に設計され、システムの柔軟性と特質の向上、電子関連構成要素の数と搭載される構成要素の物理的大きさの削減のためにマイクロプロセッサの最新技術を導入した。システムの全体としての信頼性を評価するために、EQE Internatoinal社はQRAの一部としてフォールトツリーの開発と定量化を実施した。

詳細に関しては次の背景の節で述べるが、QRAの開発には以下の作業を必要とした。

成功基準の決定(Success Criteria Determination)

システムの限界の定義(System Boundary Definition)

フォールトツリーの開発(Fault Tree Development)

フォールトツリーの定量化(Fault Tree Quantification)

結果の解釈(Results Interpretation)

 

 

 

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