日本財団 図書館



(3)造船事情
 ベネズエラにおける鋼船建造造船所としては、国営のDIANCA社があるのみである。
 ベネズエラ政府は1975年以降、自国商船隊の保護と拡充対策を推進するため、国営造船所(DIANCA)の拡充および新造船所(ASTINAVE)の設立を計画した。
 当初、10万トン・ドライドックとする計画であったがDIANCAは、その後の政権交替、財政悪化により、計画は遅延・縮小を余儀なくされ、最終的には3万DWTドライ・ドックとして建設され、1980年に稼働している。
 その後、DIANCA社は81年にイタリアの技術協力の下で、33,100G/Tオイル・タンカー(Maraven S.A.向け)を建造しているが、それ以外の建造実績としては小型曳船、小型漁船、はしけ、フローチング・バージなどがあるに過ぎない。
 現在、同社は修繕を主業務としている。
  DIANCA社の概要は次の通りである。

  Dianca,Disqus Astilleros Nacionales C.A.
 (所在地)Apastado120,Valle Santa Lucia,Puerto Cabello,Venezuela
 (設備)
   ドライ・ドック    長さ220.5m×幅32m(能力:30,000DWT)
   シンクロ・リフト   長さ 125mX幅27m(リフト能力:5,000トン)
   蟻装岸壁  長さ1,093mX深さ12m


(4)漁業事情
 ベネズエラはカリブ海に面し、水産資源は豊富であるが、漁業はあまり発達してない。
  東部海岸地帯では、カリアコ湾を中心としたイワシ漁と大陸棚でのエビおよび底魚の漁獲が行われ、西部海岸ではマラカイボを含めてエビ漁が盛んである。
  漁獲量、輸出高とも年々増加傾向にある。
  漁獲量のうち、エビは主として米国向けに輸出され、マグロ、イワシなどは缶詰加工され海外へ輸出されている。



 ベネズエラの保有漁船数は、7,000〜8,000隻といわれているが、その大部分は木造の無動力船または小型鋼造船である。
 100G/T以上の鋼造漁船は、1997年12月現在99隻、38,058G/Tで、その平均船齢は24年である。
 最近10年間における漁業保有量の推移は、次の通りである。

 

前ページ    目次へ    次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION