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(4)漁業事情
 コロンビアは、北はカリブ海、西は太平洋に臨み、総延長さ2,950?に及ぶ長い海岸線をもち、漁業基地としてはカリブ海岸にはカタヘルナ、シェネガ港、太平洋岸にはブェナベンツーラ、ツマコ港などの漁港がある。
 太平洋側は、北からの暖流と南からの寒流が合流するため、エビ、イワシ、カツオ、マグロ、ボラなど各種資源に恵まれている。
 また、内陸ではマグダレナ河を始め多数の河川や湖沼に淡水魚が豊富である。
 このように水産資源に恵まれているが、コロンビア漁業は従来、内水漁業およびエビトロール漁業を除いては、未開発の状態にあった。
 太平洋側のマグロ、カツオ、イワシなど回遊性魚およびカリブ海の大陸棚の浮魚や底魚は、沿岸海域の極く一部を除いて、殆ど有効に利用されていなかった。
 このため、1985〜89年の漁獲量は約80,000〜85,000トンで、うち約70%が内水漁業、また90%が零細漁民によるものであった。
 90年代に入り、漁船の増強、漁業施設の整備拡充、冷凍倉庫の増設等が実施された結果、漁獲量(特に海洋魚)が年々増加し、95年には約17万トンと倍増している。
 カリブ海側における商業的漁業基地は、カルタヘナ、バランキーヤ、サンタ・マルタなどであるが、それらの基地に水揚げされるのは殆どがエビを中心としたもので、その多くは欧米、日本向けに輸出されている。
 国内で消費されている魚種は少なく、その量も少ない。
 コロンビア政府は、国民の動物性蛋白源としての魚食の普及、漁業への雇用の増大と漁民の経済生活の向上、水産物の海外輸出による外貨獲得などを目的として、漁業開発振興政策を講じており、その為の機関としてIFI(産業開発公社)を設置しており、特にエビの輸出では実績を上げている。

 コロンビアの漁船保有量(100G/T以上の鋼造漁船)は、1997年12月末現在35隻、9,728G/T(平均船齢19年)である。
 なお、最近10年間における漁船保有量の推移は次の通りである。

 

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