日本財団 図書館


? ベトナム国内で競合する外資系造船所

 ベトナムの造船所は大半が設備も資金も不足しているので、国内に設立された外国との合弁造船所に対して不利な立場にある。コンソーシャムの一翼を担って事業提携契約(BCC)により国内で操業する外国企業、合弁事業および100%外資の造船所は、今後も新造船・修繕船部門において最も強力な競合相手となる。
 1996年時点においても、造船部門では1998年までに多数の合弁事業の設立が見込まれていた。しかし東南アジアの経済不況から、当部門への外国投資が減少した。現在活動中のBCC、合弁事業、100%外資の造船所については以下の各項でさらに詳しく説明する。

 

?-1 事業提携契約(BCC)とコンソーシャム

 Vietsovpetro-Browy & Root Consortium(ヴンタウ):このコンソーシャムは1996年に、石油・ガス産業向けの掘削プラットホームの国内建造能力を向上することを目的として設立された。同コンソーシャムはヴンタウ所在のヴィエトソヴペトロの設備、現地の労働力にブラウン&ルートの技術と管理能力を結合するもので、現在までにプラットホーム2基を建造した(いずれも1998年春に洋上に設置される予定)。シンガポールのブラウン&ルート社がプラットホームのエンジニアリングを担当し、すべての資機材はシンガポールで調達された。
 この投資の成果からして、ベトナム水域内で使用するプラットホームの建造を、ヴィエトソヴペトロの内外の競合相手が受注することは、ペトロ・ベトナムが認めないだろうと、業界の観測筋は指摘している。

 

 

前ページ    目次へ    次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION