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? 中国造船工業公司(CSSC)

?-1 概要

 CSSCは中国造船業において大きな役割を果たしている。この公司は、全国的な造船グループとして1982年に創立された。
 CSSC傘下には159の企業と機関があって、278,801人の従業員を雇用している。本部を北京に置き、上海、大連、広州、天津など、傘下企業や機関が比較的集中している9都市に地域公司を設置している。海外支社および駐在員事務所が香港、バンコク、カラチ、ロサンジェルス、ハンブルク、イスラマバード、モスクワ、ロンドンに置かれている。
 CSSCは25の大・中型造船所を保有し、125,010人を雇用している。主な造船所は大連造船廠、大連造船新廠、江南造船廠、潅東造船廠、上海造船廠、広州造船廠などで、能力10,000DWT以上の19基を含む84船台が稼働している。これら船台のほかに、能力10,000DWT以上の21基を含む32基のドックが操業中である。うち最大のものは能力300,000DWT。
 CSSC傘下の59工場で各種の舶用機器や陸用の製品を生産している。一部は自社設計、一部は外国企業からの技術導入によるもの。
 CSSC傘下にはさらに、38の研究開発機関、大学3校、専門学校4校がある。

?-2 新造船

 CSSCの1997年の建造量は2,290,000DWTに達した。同年の新造船受注量は2,070,000DWTに達したが、同年の竣工量には及ばなかった。1997年末現在の手持工事量は4,380,000DWTで、その内容は主として20,000DWT以上の船型からなる。

第4表 新規受注量と手持工事量

(単位:千DWT)

 

?-3 修繕船

 修繕船事業は近年、目覚しい発展を遂げた。現在、修繕船はCSSC傘下全造船所の総収入額の7.6%を占めている。外国船の修繕受注も著増し、修繕船工事総価額に占めるシェアは1982年の8%に対して1992年には46%、1996年には75%となっている。

第5表 CSSCの価額ベース修繕船工事実績

(単位:千人民元)

 

?-4 輸出

 1997年にCSSCは総計1,678,280DWTの輸出船を受注する一方、94隻、計1,955,106DWTを引き渡した。

第6表 CSSC建造商船の輸出数量

 船舶輸出と並行して、CSSCは錨、錨鎖、鍛造品、鋳造品、蓄電池、遠心分離器、ギヤボックス、ディーゼル機関、発電装置、空気圧縮器、ジャイロコンパス、六分儀、コンテナ、油圧部品などの舶用機器やその他の製品も輸出している。

 

 

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