日本財団 図書館


〈揚荷作業〉
 (1) 各タンクから、オーバーフローの危険がなくなったら、適度なトリムをつけて行うこと。
 (2) 相手側から受入れ準備完了の知らせがきたならば、マニホールドバルブを開き、カーゴポンプを低速で始動、各部の状態が良好であることを確認してから吐出弁を徐々に開いて所定の送油圧力まで上げてゆくこと。
 (3) 揚荷中は、たえずポンプ、パイプ(ホース)の接続部、送油圧力に注意し、油洩れのおそれのあるところを十分に監視すること。
 (4) 特に甲板上の荷役管系からの油洩れを厳重に監視するとともに、ポンプルーム付近の海面にも十分注意すること。
 (5) 異常を認め、送油を緊急に停止する必要が生じた場合には、甲板上で操作できる緊急停止装置を作動させること。
 また、ゲイトバルブを閉鎖するとともに、緊急時バルブ操作によるパイプ内循環操作あるいはタンク内への逃し操作を行うこと。
 (6) 揚荷が終了したならば、適当な方法でイナートガス又はタンク内雰囲気によるポンプ押しなどを行い、パイプ内に残油がないことを確認したのち、マニホールドバルブを閉め、ホースを取り外すこと。


(5)クリーンバラスト搭載のための貨物艙の洗浄要領
 クリーンバラストとは、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令第1条の7第2項に基づき、同法施行規則第8条の2において、
 (1) 晴天の日に停止中のタンカーの当該貨物艙から清浄かつ平穏な海中に水バラストを排出した場合において視認することのできる油膜を海面若しくは隣接する海岸線に生じないよう洗浄され、かつ、油性残留物若しくは乳濁液の堆積を海面下若しくは隣接する海岸線に生じないよう洗浄されていること。
 (2) タンカーの当該貨物艙からバラスト用油排出監視制御装置又は技術基準省令第12条第1項に規定するバラスト用濃度監視装置により監視して水バラストを排出した場合において、油分の濃度が1万立方センチメートル当たり0.15立方センチメートルを超えるものが排出されなかったことが、当該バラスト用油排出監視制御装置又はバラスト用濃度監視装置の記録により明らかになるよう洗浄されていること。
と定められた程度以上に洗浄された貨物艙に積載された水バラストをいい、これは一定の方法(後述)により排出できます。
 そこで、前記の油取扱い作業の一般的注意事項のほかに、以下のようにクリーンバラストを確保するための海水による標準的タンク洗浄要領を以下に述べることとします。
 なお、ガソリン、灯油タンカーのクリーンバラストの確保については、182頁の「5 クリーンバラスト確保のための作業要領」を参考にして下さい。

 

 

前ページ    目次へ    次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION