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(2) 有害液体物質ばら積船に係る構造・設備規制の経過措置
イ. 設備に関する規制の経過措置
 排出規制の経過措置に対応したもの
現存有害液体物質ばら積船(昭和61年7月1日前に建造された船舶)に設置するストリッピング装置のストリッピング残留量が、
  ・ B類物質等を積載する貨物艙の場合、0.1m3以下の基準が0.3m3以下に、
  ・ C類物質等を積載する貨物艙の場合、0.3m3以下の基準が0.9m3以下に、軽減される。

ロ. 構造に関する規則の経過措置
 昭和48年11月2日前に建造契約が結ばれた外航船及び昭和58年7月1日前に建造され又は建造に着手された総トン数1,600トン以上の内航船の貨物艙の配置の基準が軽減される。

(4) 有害液体汚染防止管理者及び有害液体汚染防止規程(法9の4〕
 日本船舶であって総トン数200トン以上の有害液体物質を輸送する船舶(引かれ船等は除く。)の所有者は、当該船舶に乗り組む船舶職員のうちから、船長を補佐して有害液体物質の不適正な排出の防止に関する業務の管理を行わせるための専門家として有害液体汚染防止管理者を選任するとともに、有害液体汚染防止規程を定め、これを船舶内に備え置き、又は掲示しておかなければならないこととなっている。

(1) 有害液体汚染防止管理者の備えるべき要件(規則12の2の6)
 油濁防止管理者と同様、海技従事者の免許を受けている者であって、次の(イ)又は(ロ)のいずれかの要件を満足していなければならない。

(イ) 有害液体物質を輸送する船舶に乗り組んで有害液体物質の取扱いに関する作業に1年以上従事した経験を有する者

(ロ) 有害液体汚染防止管理者を養成する講習として運輸大臣が定める講習を修了した者
(ロ)の講習は、次のいずれかである。

(i) 船員法施行規則(昭和22年運輸省令第23号)第77条の5第2項
第2号に規定する講習のうち次に掲げる講習

(A) 海上災害防止センターの行う消防実習(石油のみを対象とするものを除く。)(更に、併せて次に掲げるいずれかの講習を修了しなければならない。)
 (a) 日本タンカー協会が昭和43年9月17日から昭和51年3月5日までの間に行ったタンカー安全研修会
 (b) 船員災害防止協会の行うタンカー安全担当者講習会
 (c) 財団法人日本船舶職員養成協会の行うタンカー安全担当者講習会
 (d) 財団法人尾道海技学院の行うタンカー安全担当者講習会
 (e) 財団法人関門海技協会の行うタンカー安全担当者講習会

(B) 財団法人日本船員福利雇用促進センターの行うタンカー研修(実習に係る部分について石油のみを対象とするものを除く。)

(C) 海上災害防止センターの行う海上防災訓練標準コース(実習に係る部分について石油のみを対象とするものを除く。)

(D) 海上災害防止センターの行う海上防災訓練指揮運用コース(平成元年2月20日以降行われるものに限る。)

(ii) 海上災害防止センターの行う有害物質コース
(iii)社団法人日本船主協会の行う有害液体汚染防止管理者養成講習
(この講習の修了によって有害液体汚染防止管理者として選任され乗り組むことができる船舶は、船員法施行規則第77条の4に規定する液体化学薬品タンカー以外の船舶に限る。)
 (イ)又は(ロ)は客観的に認められるもので特に認定行為は必要としないが、要件を有していることの証明を欲する者は、申請により地方運輸局長等から証明書の交付を受けることができる。

(2) 有害液体汚染防止管理者の職務 
 有害液体汚染防止管理者の職務は、具体的には次のような業務が挙げられる。
(イ) 有害液体物質記録簿を記載し、保管すること。

(ロ) 有害液体物質の不適正な排出の防止作業に関する必要な指示を乗組員に行うこと。

(ハ) 作業設備、作業方法等に関する有害液体物質の不適正な排出の防止のための改善意見を船長を経由して船舶所有者に申し出ること。

(二) 各種作業に係る作業予定表の作成に当たって船長を補佐すること。

(ホ) 作業の開始前、完了後の点検を実施し、その結果を船長に報告すること。

(へ) 作業中の報告を聴取し、作業状況を把握すること。

(ト) 有害液体物質の例外的な排出があった場合に、その原因を調査し、船長及び各部の主任者に報告すること。

(チ) 有害液体物質排出防止設備その他の有害液体物質の不適正な排出の防止のための機器について各部の主任者が行った点検及び整備を確認し、その結果を船長に報告すること。
(リ) 利用可能な廃有害液体物質等処理施設に関する情報を収集し、船長に報告すること。
(ヌ) 有害液体汚染防止規程に定められた事項その他必要な事項を自船の乗組員及び乗組員以外で有害液体物質の取扱いに関する作業を行う者に対して周知及び教育すること。

 

 

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