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「海洋汚染・海上災害防止の手引き」

事業名    海難防止・海洋汚染防止の周知宣伝
団体名    日本海難防止協会 注目度注目度5


2 海洋環境保全の監視取締り

(1) 海洋環境保全のための監視取締り
 海上保安庁では、平成10年4月1日現在、全国に11の管区海上保安本部、118の海上保安部署等、14の航空基地を置き、354隻の巡視船艇、70機の航空機を保有している。特に、海上環境事犯の捜査にあたっては、海洋へ排出された油等の排出源を特定するために高度の化学的な分析鑑定技術を必要とするため、海上保安試験研究センター(立川市)に化学分析課を、また各管区海上保安本部に分析室を設置し、同時多成分計測システムやガスクロマトグラフ、赤外分光光度計、ガスクロマトグラフ質量分析計、分子構造解析装置など最新の公害分析機器を整備すること等により分析鑑定体制の充実強化を図り、油等の違法排出に対処している。
 海上保安庁は、上述のような体制で我が国周辺海域の海洋汚染の監視取締りを行い海洋環境の保全に努めている。特に東京湾、大阪湾を含む瀬戸内海等の船舶がふくそうする海域、タンカールート海域等の海洋汚染の発生する可能性の高い海域には航空機及びヘリコプター搭載型巡視船等を重点的に配備し海空連携による広域的な監視取締りに当たっており、この結果、海上保安庁は、平成9年には海上環境関係法令違反として765件を送致した。法令別違反送致状況及びその推移は、第2表に示すとおりで、全送致件数については、減少しているが、船舶からの油及び有害液体物質違法排出及び廃船違法投棄事犯については、424件と大半を占めており、未だ関係者の海洋汚染に対する認識が十分でなく、海洋汚染の防止意識が徹底されていないことを示している。
 海上環境事犯は、監視取締りが厳しくなるに従い、その目を逃れるため手口がますます巧妙となり、潜在化する傾向がみられるため、工場排水の採水分析及び夜間監視装置の活用等により監視を強化している。また、平成9年に海上保安庁が確認した油による海洋汚染のうち、排出源不明のものが全体の約26%を占めているが、これらの中には夜間に排出されたものによる汚染が多数含まれているおそれもあるので、これら汚染の排出源を究明するため、赤外線捜索監視装置等の監視取締り用資器材の整備等により監視取締り体制の充実を図っていく。
 このように海上保安庁では、今後とも監視取締りを一層強化していく方針であるが、もとより海上保安庁の監視取締りの強化や法規制の強化だけでは海洋汚染を防止しうるものではなく、海に係る全ての人々が海洋汚染の実態を十分認識して、青い海を未来に残すための努力をしていくことこそが必要である。



巡視船による監視取締り

(2) 外国船舶に対する監視取締り
 平成8年6月20日、我が国は国連海洋法条約の批准書を寄託し、同年7月20日に我が国において同条約が発効した。これに伴い、領海に加え、排他的経済水域及び大陸棚における外国船舶による海上環境事犯について、一定の条件の下に海防法等を適用して取締りができることとなった。

第2表 海上環境関係法令違反送致件数の推移

(単位:件)


〔第2編  II 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の解説中の表示方法〕

本文中、法、令、規則等の語は、それぞれ次の意味で用いてある。

 法    : 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律

 令    : 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令

規則   : 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行規則

技術基準: 海洋汚染防止設備等及び油濁防止緊急措置手引書に関する技術上の基準を定める省令

検査規則: 海洋汚染防止設備等及び油濁防止緊急措置手引書検査規則

共同命令: 船舶からの有害液体物質の排出に係る事前処理の方法等に関する命令

廃法   : 廃棄物の処理及び清掃に関する法律

廃令   : 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令

ロンドン条約: 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約

MARPOL73条約: 1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約

MARPOL73/78条約: 1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書

条文の表記についてはそれぞれ次のとおりである。
   (3-(2))    : 第3条第2項
   (3-(2)-1)  : 第3条第2項第1号
   (3-2)    : 第3条第2号
   (3-(2)-1,2): 第3条第2項第1号及び第2号

 

 

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