日本財団 図書館


3.4 現行規制の問題点

3.4.1商の和の規制
 昭和54年度に行った調査研究において、「2種類以上の危険物を荷役するときは、それぞれの危険物の数量を、それぞれの危険物の荷役許容量で除した商の和が1を越えない場合のそれぞれの危険物の和とする。」いわゆる「商の和の規制」の考え方について検討され、安全面で有効であると考えられるが、更に十分な検討が必要であるとして将来の研究課題として残されていたものである。

3.4.2規制の検討
 近年の物流形態が、ばら積み輸送からコンテナ輸送へと変化し、コンテナ貨物として危険物輸送が常時行われる状況となってきたことに鑑み日本船主協会等からコンテナによる危険物輸送の緩和措置として、危険物の輸送容器の安全性について検討が行われ、安全性が向上していることから、容器等級を商の和の規制を緩和する考え方として考慮すべきであるとの提案があり、追加検討を行った。
 なお、規制の考え方として、昭和54年度報告書に?、?のような記述がある。
?危規則に定める危険物相互間の隔離規定は、船上における安全確保を目的として定められており、これを導入して商の和の規制をなくすべきであるとした提案が行われた。
?港則法で警戒すべき災害は、大規模な爆発、火災が発生し、近隣住民など多数の死傷者が及んだりすることで、危険性が低いと考えられる毒物と腐食性物質は、商の和の規制対象より除いて、それぞれの荷役許容量まで荷役できるとすることで安全は確保できるという一応の合意がなされた。

3.4.3まとめ
 上記?について、昭和54年当時において、安全確保ができるという一応の合意はあるものの、これまで商の和の規制が安全確保に有効に機能してきたと考えられること、更には、危険性が低いといわれてきた毒物、腐食性物質について検討した結果、大規模災害の危険性を有するものがあり、規制緩和には更なる検討が必要であるとされ、本委員会では、商の和の規制の改正について結論を得ることができず、検討課題として残すこととされた。
 また、規制の見直しをする際には、諸外国の規制の現状、安全対策の実施状況等を更に調査する必要があると思われる。


前ページ    目次へ    次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION