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5.5 調査結果のまとめ

ヒアリング調査結果を以下にとりまとめた。詳細なヒアリング調査結果については巻末資料2に示す。

(1) 基礎事項
所属している漁船の隻数は表5.5-1に示すとおりであり、大半が20トン未満の漁船である。その材質はFRPが大半を占めており、アルミ軽合金、鋼も数隻ある。

表5.5-1 所属漁船隻数

(2) 操業状況について
各漁協で操業されている主な漁種は

師崎:釣り、船曳き網
形原:底曳き網
一色:底曳き網
篠島:船曳き網、刺網、釣り、底曳き網
神島:船曳き網、まき網、刺網、釣り
答志:底曳き網、刺網、釣り

であり、そのうち、
釣り(師崎、神島、答志)、底曳き網(神島、答志)、まき網(神島)、刺網(神島)
が伊良湖水道で操業されており、その他は伊勢湾、三河湾、外海で操業されている。
また、外海で操業するため伊良湖水道を通過する場合、伊良湖岬・朝日礁間を航行する漁船が多い。

(3) 情報入手(現況および将来の希望)について
1) 無線設備の設置状況

漁業無線(27MHz)はほぼ全船設置されている。ラジオは師崎、形原、神島漁協の所属漁船は全船設置されているが、その他の漁協の所属漁船は設置していない漁船が多い。船舶電話は外洋で操業する漁船には多く設置されているが、湾内や沿岸で操業する漁船では船舶電話に替わって携帯電話が普及してきている。VHF、FAXを設置している漁船はほとんどない。

2) レーダー反射器の設置状況

レーダー反射器の設置状況は一色、篠島、神島、答志漁協の所属漁船はほとんど設置しておらず、師崎の大半と形原の数割の漁船が設置している。

3) 現在の管制信号所の提供情報の利用状況

伊良湖水道航路付近で操業している漁船は管制信号所の巨大船通航予定の信号を利用しており、特に表示灯(紅灯、白灯)は遠方から確認できるのでよく利用している。
伊良湖水道を通過する漁船はあまり管制信号所の信号を利用しておらず、巨大船の入航予定については前日に保安部からくるFAXによる情報を利用したり、電話にて問い合わせを行っている。

4) 将来、必要な情報、手段、時期等

必要な情報については、ほとんどの漁協が「巨大船通航予定時刻の情報」が必要と考えており、その入手方法・時期については「前日に漁協宛FAX」という意見が多く、「ラジオ、電光表示盤」という意見もあった。また、「電話・ラジオによる気象情報」という意見が次に多く、その他「電光表示盤による潮流情報」という意見もあった。既存の海上交通センターが提供している情報以外の意見はなかった。
伊良湖水道は通過のみであるので、特に必要な情報はないという意見もあった。

 

 

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