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植木 茂充(うえき しげみつ)(昭12.9.13生・高知県高知市)

多年にわたり小型船舶の検査業務に携わり、小型船舶及び人命の安全確保並びに安全思想の普及、啓発に貢献された。

1] 昭和54年、創立間もない日本小型船舶検査機構の小型船舶検査員となり、以来、船舶安全法に基づく小型船舶の堪航性及び人命の安全確保を目的とした検査に邁進した。また、広報活動、検査の集約化・事務の合理化などに努めた。

同機構は62年に、機構の自立化、活性化、受検者へのサービスの向上等を図ることを目的として民間法人化された。週休2日制や海洋レジャーの普及等で、検査隻数は2.6万隻から13.7万隻へと急激に増加し、船舶の種類も増えたことから、検査制度のPR、安全思想の普及はますます重要となり、受検手続きもきめ細かく指導する必要があった。(平成9年度の検査実績は17.5万隻)

2] 当時、氏は、松山支所、高知支部等の現場管理者であると同時に、自らも年間500隻前後の検査を行う検査員であることから、検査の集約化・合理化、検査事務の合理化の必要性を痛感しており、本部へも機会ある毎に提言してきた。また、検査予定がない日や休日に漁協やマリーナを足繁く訪れ、検査制度の周知や検査実施上の協力依頼をして回った。

徐々に、漁港やマリーナの利用提供や、曜日や日を決めての検査日の設定などへの協力体制が整い、昭和63年には、パソコンが導入されて、検査事務の合理化が進められることとなった。

3] 平成3年本部業務課長として、支部長時代の提言を自ら進めることとなり、検査事務の電算化は各種データベース化も含めて平成9年に完全に軌道に乗った。また、検査に係る合理化に加えて、「遊漁船・瀬渡船の安全のために」(パンフレット)や研修あるいは講習会のレジュメ等を作り、機構の職員が誰でも指導者になれるよう指導・普及の面に関しても合理化を図った。

同6年から、小型船泊の範囲が「長さ12メートル未満の船舶」から「総トン数20トン未満の船舶」に拡大されたことにより、これまで対象外であった漁船が増加することとなった。所属する高知支部では漁船が概ね40%にも達しているが、懇切丁寧な指導を行い適切な検査を行った。

(日本小型船舶検査機構推薦)

 

 

 

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