ワールドゲームズの公式競技であるファウストボールは、バレーボールの前身といわれ、特にドイツを中心にオーストリア、スイス、イタリアなどヨーロッパ諸国で競技が盛んです。さらに、ドイツからの移住者たちが、この競技を南米や南アフリカに紹介し、時の経過と共に現在のルールが成立しました。ファウストとはドイツ語で拳のこと。英語圏ではフィスト(拳)ボールと呼ばれることもあります。
この競技の面白さは、バレーボールと違ってコートが大きく、1チーム5人という少人数、さらに自コート内であれば3度までボールをバウンドさせてもいい、というルールがあることです。サーブをダイレクトに相手コートに打ち返してもいいし、焦らすようなボール回しもできます。戦術面での選択肢が広く、攻撃スタイルを多彩に組み立てられる点が特徴です。また、観客はプレー中の対戦チームの駆け引きを推理し、高度な技術と頭脳的なプレーがゲームの流れを左右するので、手に汗握ることは必至。一見の価値ある競技です。
ところで、日本にファウストボールが紹介されたのは比較的最近です。1997年8月に行われた、ワールドゲームズ・ラハティ大会でファウストボールを目撃したJWGAの有志が、帰国後、この競技を伝え、同年末に秋田県ファウストボール協会が設立されたのが始まりです。
協会は、1998年の第2回女子ファウストボール競技・世界選手権大会(オーストラリア)に日本代表視察団を派遣、今年の8月24日(火)〜29日(日)にかけてスイスで開催される第10回男子ファウストボール競技大会(12カ国参加予定)に日本代表選手団を初めて派遣するはこびになりました。これはアジアから初の参加になるので、日本選手の健闘が期待されています。
【競技方法】
コートはバレーボールより大きく、縦50m×横20m。ネットの高さは2mと若干低い。5人(フォワード2人、センター1人、バック2人)ずつの2チームが戦う。使用する専用のポールは、外周65〜71cm、重さ300〜350g。バレー用よりも少し重い。このボールをネット越しに打ち合って得点を競う。ただし選手がボールに触れる場合、片手の拳または腕のみしか使えない。
【ルール】
競技は一方のチームのサーブで始まる。サーブは自コート内から打ち込まれる。打ち込まれたボールは、自コート内で3人まで触れることができ、3回目には相手コートにダイレクトに打ち返さなければならない。またボールは自コート内であれば、3度までバウンドさせることができる。失点となるのは、
1. ボールを両手で扱った場合
2. 片手であっても手が開いてた場合
3. コート外にボールが接地した場合
4. チーム内で、3回以上ボールをバウンドさせ、あるいは相手コートに返す前に3度以上ボールに触れた場合
5. 1人が連続してボールを扱った場合
6. ボールあるいは選手がネットに触れた場合
得点された側が次のサーブをする。ゲームは、1セット20点の3セットマッチで行なわれる。ただし、20点を取った時点で2点差以内であれば、2点の差をつけるか、25点を先取したほうがそのセットを制することになる。
【問い合わせ】
秋田県ファウストボール協会
〒010-0833
秋田市旭川新藤田東町5-10
田村吉顕方
電話兼ファックス018-832-4190
秋田大会2001年8月16日〜26日
WG豆知識
ワールドゲームズ
「芝生」
ワールドゲームズの競技場は、屋内、屋外、水上と大きく3つに分類できる。屋外で行う競技は、主として土の上と芝生の上で行うものに分けられる。
さて、「芝生」と一口に言っても、それぞれに種類と特性がある。
芝生は英語でローン(Lawn)という。日本で多く使用されているのは、野芝や高麗芝に代表される日本芝である。しかし冬場には枯れてしまうという欠点がある。
1年中緑を保っている常緑系の西洋芝は、ベントグラスに代表されるが、よく水をやらないと枯れてしまい、芝の腰が弱いという欠点がある。
天然芝は見た目が良いばかりか、競技実施時の傷害を防ぐ安全面や砂塵などが飛び散るのを防ぐ効果も高い。しかし、使用頻度が高いと耐久性に乏しく、また維持管理費がかかるという短所もあり、行政の積極的な採用が行われにくいのが現状である。2001年の秋田大会では、天然芝を採用する予定である。素晴らしい芝生の上で、熱い闘いが繰り広げられることを期待したい。
My Challenge
マイ・チャレンジ
バトンの魅力を気づかせてくれた「観客のパワー」
競技としてのバトントワリングは、バトンをまわす技術とボディワーク(体の動き)をミックスしたスポーツです。世界選手権の個人フリースタイル競技は、バトンテクニックだけを採点するコンパルソリー(規定演技)に加え、なめらかなバトンさばきとしなやかなボディワークでいかに美しく自分を表現するかが勝負になります。技術と芸術性が求められる競技です。
バトンを始めたのは6歳の時から。高校2年のとき全日本チャンピオンになり、翌89年の世界大会で初めての入賞(6位)。本当は高校まででバトンはやめようと思っていました。知らず知らずのうちにバトン自体が日常の事になって流されていたんです。卒業後はアメリカの大学へ行きたくて、入学する9月までのつもりで高山アイコバトンスタジオに入ったのですが、この新しい環境とコーチとの出会いが、もう一度バトンとちゃんと正面から向き合ってみようと決意するキッカケになりました。ここで練習していくうちに、バトンを回すだけで楽しくなってしまったのですから。
観客が自分の演技を期待している、と分かったのもこの頃です。「典子、楽しかったよ」と演技が終わって声をかけられた時の新鮮な喜び、体調が悪いとき、まわりの観客が床を踏みならして応援してくれ、それがエネルギーとなって上手に演技ができた瞬間の驚き。観客の期待や声援が、どれほど自分の中でパワーになっていくのか、そしてそれこそ自分がバトンを楽しむ大きな原動力だと確信しました。バトンの魅力を見つけたのだ、という気がしました。このことが90年の世界大会3位、91年の世界チャンピオンへとつながったのだと思います。
年齢も世界の上位になりましたが、まだまだ発展途上です。どこが到達点なのかも分かりません。でも上を目指して向かっているうちは競技者としてバトンを回していられると思っています。そしてバトンを愛する一人として、子供たちを教えたり海外から招待される機会にもっとバトンの魅力を伝え、世界の色々な国の人たちにバトントワリングを普及させ楽しさを知ってもらいたい、それが私のチャレンジなのだと考えています。(談)
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ヒント
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平成11年3月31日(水)
(前号の答えはチャレンジでした。)