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なお、前述したようにアダプターは検証用アプリケーションという位置付けに加えて、既存CADとPMの連携のための実用アプリケーションという側面もあり、各社での実運用時のPMとの連携法を反映して、データ交換の方向、すなわち、既存CAD→PM、または、PM→既存CADの重要度に若干の差がある。具体的にはMATESと「すみれ」は既存CAD→PMを、TRIBONではPM→既存CADを試行した。各CADとも双方向のデータ交換実験は来年度に行うこととしている。

(2) CADリポジトリアクセスサービスの実装例

CADリポジトリアクセスサービスの実装形態は、各社CADの稼動環境、実装言語等を考慮して決定される。図5.4-3にA社の構成を示すが、PMから受け取った、もしくは、PMに受け渡すデータを、一旦中間ファイルへと書き出し、この中間ファイルを介して既存CADデータベースとのデータ交換を行おうとするものである。データ交換はバッチ型JOBの実行を想定している。この手法は、IDL言語バインディングが規定されていない言語(例えばFORTRAN)で実装されているCADシステムや、CAD固有データベースへのアクセス関数が公開されていないような場合に有効である。CADリポジトリアクセスサービスは、中間ファイルに対して入出力を行い、C++で実装されてCORBA BUS上にサービスを提供し、前述したデータ交換制御プログラムと連携してPMとデータ交換を行う。

 

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図5.4-3 A社実装例 中間ファイル方式によるデータ交換

 

 

 

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