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3. 月別シミュレーションとregionalシミュレーション

月別シミュレーションにより、航路、年及び月の違いによる船速、エスコート日数、航海日数、コスト構成比の違い等が明らかになり、それらの傾向が把握された。また、各年各月の積算ice index(ice index×セグメント長)とfreight costを分析し、その相関関係から積算ice indexをSuez回りとNSRの航路選択の判断値として用いる事にした。Regionalシミュレーションでは東側航路と西側航路の特性が明らかになった。

 

4. 往復シミュレーション

往復シミュレーションは実際の運航を想定したシミュレーションで、冬期のfreight costがNSRで不利な場合はSuez回りを選択した。本シミュレーションでは2種類のシミュレーションを実施した。1つは40BCと50BCを用い、氷況の厳しいfreight costが不利な冬期(2月〜5月)はSuez回りで運航し、残りはNSRを運航するシミュレーションで、40BCと50BCの経済性の優劣を評価するものである。このシミュレーションは1960,70,80年の3年間について実施した。他の1つは航路選択シミュレーションで前出の往復シミュレーションで優位と判断された船を用いて、一航海毎に航路選択を行い最も経済的に有利な運航条件を求めようとするものである。このシミュレーションは1980-89年の10年間について実施された。結果は、最初のシミュレーションでは船の資本コストが安い事が理由となり50BCの方が経済的に優位と判断された。次のシミュレーションでは、最も経済的な航路を選択して運航しても、砕氷型で無い同型のSuez回りハンディサイズバルカーには経済的には少し劣り、エスコート砕氷船タリフが現状設定値より少しゃすい5$/GT以下になればfeasibleとなるという結果が得られた。

 

5. 結論と提言

各WPの成果を取り入れた包括的な運航シミュレーションを行った。これは最も先進的な砕氷船技術と、歴史的でかつ詳細な環境データを取り入れた初めてのシミュレーションである。本研究により以下の結論と提言が得られた。

 

(1) 月別シミュレーションを行い、航路、年及び月における砕氷船タリフ、砕氷船エスコート日数、航海日数等の費用構成を明らかにした。資本コスト(Capital cost)は費用パラメータの中で最も重要な影響を与えた。想定された砕氷船タリフが適切であるならば、50,000DWT(50BC)は他の2隻の強力な砕氷商船より経済的に有利である。50BCのエスコート日数は想定されたエスコートシナリオの基では、40BCよりも大きくなる。しかしながら、タリフレートの仮定は、1航海についてflat rateとしているので、エスコート日数の影響はエスコートコストには殆ど現れていない。N航路の航海日数もS航路に比べてわずかに長い程度である。ゆえに、N航路は今後開発されるより載荷重量の大きい砕氷商船に有望である。

(2) Regional routeにおけるシミュレーション結果からは、西航路の方が東航路よりもはるかに航行が容易である。西航路でのエスコート日数は3日未満であって、25BCによりほぼ単独航行が可能である。この結果は従来の過去の航行実績と一致する。

 

 

 

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