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(4) Mn-Zr-Oの焼成温度の影響

NOの吸着量は、100℃での飽和吸着量、昇温吸着量ともに低温で焼成したものの方が吸着量は大きくなる。また吸着量の序列は以下の通りとなった。

 

NO吸着量: 450℃焼成品 > 550℃焼成品 > 650℃焼成品

 

ただし、焼成温度450℃では繰り返し使用により、NOx吸着量が低下した。

一方、焼成温度550℃では本条件下では5回繰り返し使用してもほとんど低下しなかった。

 

(5)調製方法の影響

1]Mn2O3・2ZrO2(Ar)

若干であるがNO吸着量が増大した。TEM分析結果より、Mn2O3・2ZrO2 (Mn/Zr=1/1)に存在した塊は、本試料では確認されなかったことから、MnとZrがよく混合しており、高表面積化によってNOx吸着量増大したものと思われる。

 

2]Mn2O3・2ZrO2(boil)

TEM分析結果からMnとZrが分離し、平板状のMn酸化物生成しており、NO吸着量にほとんど変化が見られなかった。表面積がほぼ同程度であることと対応している。

 

3]Mn2O3・2ZrO2(Spray)

水蒸気の存在しない条件ではスプレードライで調製したMn2O3・2ZrO2のNO吸着量は若干多くなっており、粒子は小さくなっているのではないかと考えられる。これは比表面積測定結果からも推測される。しかしながら、水蒸気存在下では他の調製方法に比べ吸着量は著しく低下しており、水の影響を大きく受けることがわかった。この点に関しては現状では明らかになっていないが、おそらく、Mnが十分に結晶化しておらず、NOの酸化活性が低いことなどが考えられる。

 

 

 

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