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結核予防セミナーinバンコク

1998年11月23日

 

 

平成10年度結核予防セミナー(タイ)を、日本財団の補助を得て、タイの首都バンコクで開催したので報告します。

 

背景

第29回IUATLD世界会議がタイで開かれることとなり、同国結核予防会より、本会に対し何らかの支援がほしい旨依頼があった。そこで本会では、結核予防セミナーを世界会議に合わせタイで開催し、世界会議プログラムの結核に関するPost-Graduate Course(卒後研修)とすることで、会議支援のみならず、タイ国ひいては世界の結核対策進展の一助となるべくセミナーを企画した。

 

概要

セミナー全体のテーマは、"Modern Concepts of Tuberculosis and its Control"(結核と結核対策の新しい概い概念)で、世界会議に出席する一流の専門家が講師を努めた。講師とテーマは表のとおりである。

 

表 結核予防セミナー(タイ)講師一覧

8:40〜9:15 結核の疫学  D A Enarson/IUATLD

9:15〜9:50 結核の化学療法の基礎 S L Chan/中国

10:10〜10:45 耐性結核菌への対応 M D Iseman/アメリカ

10:45〜11:15 結核菌検査:精度管理 S J Kim/韓国

11:15〜11:45 結核菌検査:最近の進歩 阿倍千代治(結研)

11:45〜12:15 討論

13:45〜14:20 結核とHIV Charoen Chuchottaworn/タイ

14:20〜14:55 DOTS戦略 S Spinaci/WHO

15:20〜15:55 国家結核対策と住民参加 石川信克(結研)

15:55〜16:30 BCG接種対策 森 亨(結研)

 

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アイスマン氏の講義

 

セミナー

事前に詳しい案内が出されなかったため、登録参加者は3週間前には5人、直前に日本に取り寄せた名簿では30名ほどであった。しかし当日プログラムを見て参加希望者がどんどん増え、ピーク時には10カ国以上、80人もの、受講者で会場は熱気にあふれた。

質疑応答も普段講義を受けることができないほどの講師に対し質問ができるとあって、かなり活発に行われた。

また、講義資料について、後日参加者の参考資料となり得るような内容のある物を用意してほしいとの依頼に、各講師が応えてくれたため、参加者の期待に添える充実した資料を用意できた。

 

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熱心に質問する参加者

 

おわりに

アンケートの回収がほとんどできなかったが、参加者の人数、質疑応答への参加姿勢から判断して、本セミナーは成功裡に終わったと言えよう。

本セミナーの意義を理解し、盛り上げてくれたIseman、Enarsonを始めとする講師陣に、また後援いただいた日本財団に感謝いたします。(編集部)

 

 

 

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